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議会が議員の発言統制。公職の意味のはき違え

原田謙介政治の若者離れを打破する活動を10年以上

「婚姻届を出した市民に、穴の開いた(避妊具の)コンドームを配ってはどうか」

新城市の長田議員が議場で行ったこの発言を問題視した、浅尾市議がブログに掲載。

一気に議場外にひろまり問題になりました。

「穴の開いた避妊具配っては」…新城市議が発言(読売新聞)- Y!ニュース

出典:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140718-00050171-yom-soci

まあ、問題発言をした方は議会と飲みの席の区別がつかなかったのでしょうね・・・

で、問題はこのあとの議会の対応です。

なんと議会として、各議員の個別の情報発信の統制につながるルールを作ろうというあり得ない方向に議論が進んでいます。

7月24日の中日新聞によると、

浅尾洋平市議(37)=共産=がブログで長田氏の発言を取り上げたことを「議会軽視だ」と問題視し、今後、議員の情報発信を制限するルールを作ると決めた。

山崎祐一市議(62)=無所属=が浅尾氏に対し、「公職の立場でありながら、議会で問題提起する前に、自らの主観を表に出すのはいかがか」「個人名を挙げるなら相手に通告するなど配慮すべきだ」と発言。他の市議数人も同調し、ブログやツイッターで発信する際のルールを何らかの形で設けることを、長田氏を除く17人の市議の間で賛成多数で申し合わせた。 浅尾氏は「時代と逆行するような後ろ向きなルール」と批判している。

出典:http://chuplus.jp/paper/article/detail.php?comment_id=196471&comment_sub_id=0&category_id=113&from=news&category_list=113

とのこと。

もう、びっくりです。

要は、

議員は何か言いたいことがあれば、まずは最初に議会で話しましょう!

個人的に発信してはいけません。議会が一番大事なんです。

ということでしょうか。

議会なんて年のうちの一定期間しかないのに、

この発言をされた、山崎氏と賛成多数で可決した新城市議は2つの点で意味が分かりません・・・

問題点1:議員は議会に雇われたわけではないのに

誰のお金から給料をもらっているのでしょうか。議員は議会のために働いているわけではないです。

市のため、その市にすむ人のために働くという意気込みによって、選挙で評価されて、投票されて当選して、税金で給料をもらっています。議員が一番意識すべきなのは、正面から向き合うべきなのは、有権者であるわけなのに。

会社とは違います。会社の内部の問題点を、役員が役員会で問題提起せずに、個人ブログに書いたらそれは確かに良くないのかもしれません。問題点といえど、すでに公開されている問題点なんですが。

議員は有権者によって選ばれて、税金で給料をもらっているという性質を意識してほしいです。

問題点2:”公職”の意味を分かっていない。議員が自らの主観を出さなくてだれが出す?

公職の立場でありながら、議会で問題提起する前に、自らの主観を表に出すのはいかがか。個人名を挙げるなら相手に通告するなど配慮すべきだ

と山崎氏は発言されている。

「議会での問題提起」のくだりがおかしいのは問題点1にかいた通りです。で、もう一つの問題点は”公職”に関して。

公職とは公務員や議員のこと。税金で給料をもらっている人を指すことが多いです。彼らは市民のために働くことが求められています。

もちろん公務員と議員の立場は異なっていて、公務員は組織の一員としての振る舞いがもとめられ、”自らの主観”を出してはいけない

面もあると思う。組織として市民に尽くす必要があります。絶対に個人的な発信をしてはいけないってことではないですが。

しかし、議員は全くの逆で、”自らの主観”を発信し、政治・行政を動かしていくことが求められているわけです。良いことは良いというべきだし、問題だと思えば指摘するべきです。

この両者を混同して、”公職”って安易に言っているだけのような気がしてなりません。

最後に

ちなみに、山崎氏は立候補にあたり、議会の役割についてこう述べています。

市民目線、つまり有権者である市民との関係も重要になると考えます。

出典:新城市議会議員選挙立候補予定者公開質問状回答集より

臭いものにはふたをして、市民には見せないということが市民目線だと思っているのでしょうか?

今後本当に発信を統制するような、なんらかのルールができるようなことがないことを願います。

そして地方議会・議員の不祥事が続いているが、素晴らしい議会・議員も多くいるということも、最後に付け加えます。

政治を諦めないでほしい。

7月25日9時追記

この点について、Facebookで言及したところ、浅尾議員の公開の方法について、

以下のような意見もいただきました。

「提出前に申し入れ書の内容をブログに公開したことや議長などがいない日に、

申し入れに行っている辺りの方法は解せない」

まとめるとこのような意見かと思います。

浅尾議員のブログはこちら

政治の若者離れを打破する活動を10年以上

1986年生まれ。岡山在住。愛媛県愛光高校、東京大学法学部卒。「学生団体ivote」創設。インターネット選挙運動解禁「OneVoiceCampaign」。NPO法人YouthCreate創設。「若者と政治をつなぐ」をコンセプトに活動。大学非常勤講師や各省有識者会議委員などとして活動を広げていく。18歳選挙権を実現し、1万人以上の中高生に主権者教育授業を行う。文科省・総務省作成「政治や選挙等に関する高校生向け副教材」の執筆者でもある。2019年参議院選挙・2021年衆議院選挙に立候補し敗れる。元岡山大学非常勤講師。元グローバルシェイパー東京代表。元中野区社会福祉評議会評議員

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