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認知症の『帰宅願望』とは?自宅にいても「家に帰りたい!」と言う【介護福祉士が漫画でわかりやすく解説】

YouTubeでも漫画と筆者による解説を配信しています。記事の感想や質問もこちらでお待ちしております。

鈴木さん(仮名)は、デイサービスの利用を始めたばかりのころ、帰宅時間になる前に、

「家に帰りたい」

と言われることがよくありました。

これには、認知症の『物忘れ』や『見当識障害』が関係しているようでした。

『その日は夕方までデイサービスにいる』という予定を忘れている可能性がありました(物忘れ)。

また、自分のことを実際より30歳若いと思っており(見当識障害)、家に帰って家事をしなければならないと思っているのかもしれませんでした。

あるいは、まだ慣れないデイサービスという場所で、周りには知らない人が大勢…という不安感から、居心地の悪さを感じて帰りたくなったのかもしれません。

デイサービスだけでなく、自宅にいても

「家に帰りたい」

と言う認知症の方がおられます。

今住んでいる自分の家のことを忘れてしまい、若い頃に住んでいた家を現住所だと思っているケースもよくあります。

認知症の物忘れは、最近のことから忘れていき、昔のことのほうがよく覚えていることが多いことも関係しています。

高齢者にも住みやすいバリアフリーの家に改築するときにも、昔からある家具や電気器具など、使い慣れたなじみの物を残しておくとよいでしょう。

『なじみの物』が、記憶を取り戻すヒントになり、また今住んでいる場所が、心地よい自分の居場所だと感じるきっかけになるからです。

介護福祉士として通所介護(老人デイサービスセンター)や訪問介護(ホームヘルパー)の現場で働いてきました。研究会での発表や、学術誌へのケースレポートの投稿なども積極的に行なっています。また、子どもの頃から好きだった漫画やイラストを描くことで、認知症の知識や介護のコツをわかりやすく伝えることを心がけています。

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