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再び立ち上がった「トロルのおちんちん」岩を見ようと観光客が押し寄せる

鐙麻樹北欧・国際比較文化ジャーナリスト|ノルウェー国際報道協会理事
接合手術で復活したおちんちん岩 Photo: Eirik Tengesdal

ノルウェーの山に住むとされている妖怪「トロル」(トロール)。トロルは日差しを浴びると岩になるという伝説がある。

岩になったトロルの男性器にそっくりだとして今年注目を浴びたのが、「トロルのおちんちん」岩(Trollpikken)だった。

しかし、悪意のある何者かがトロルのおちんちん岩を切断。「なんてひどいことをするのだ」と、地元の人々や自治体関係者は、岩の復旧作業へと乗り出した。

7月7日、多くの人からの募金のおかげで、切られた岩は元の位置に戻された。

縦に白い箇所が接合された部分 Photo: Eirik Tengesdal
縦に白い箇所が接合された部分 Photo: Eirik Tengesdal

「トロルのおちんちん岩」修復完了(国会議員も立ち会う)

当初は「トロルのおちんちん」という言葉を使うことをノルウェーの市長、政治家、メディア関係者などはためらっていたが、今では普通に受け入れられている。

国営放送局NRKによると、トロルの岩を切断した疑いのある人物が一人、現在警察により取り調べを受けている。動機などは明らかになっておらず、弁護士によると本人はコメントすることを望んでいない。

岩が復旧されておよそ3週間がたったが、その間に8千~1万人の観光客が、話題の岩を見ようと訪れたとされる。

地元スタヴァンゲルの観光ディレクターであるサウプスタ氏は、「記録的な数字」とNRKに語る。

自治体のエーゲルスンではこの岩を観光名所にするために、看板をたてるなど積極的に活動中。

サウプスタ氏によると、3年間の間に5万人の観光客を呼び寄せることが目標だ。「ガイドツアーも計画中。綺麗な飲料水、空気、美しい自然はアジア人旅行者にも魅力的になるのでは」と語る。

Text: Asaki Abumi

北欧・国際比較文化ジャーナリスト|ノルウェー国際報道協会理事

あぶみあさき。オスロ在ノルウェー・フィンランド・デンマーク・スウェーデン・アイスランド情報発信16年目。写真家。上智大学フランス語学科卒、オスロ大学大学院メディア学修士課程修了(副専攻:ジェンダー平等学)。2022年 同大学院サマースクール「北欧のジェンダー平等」修了。多言語学習者/ポリグロット(8か国語)。ノルウェー政府の産業推進機関イノベーション・ノルウェーより活動実績表彰。北欧のAI倫理とガバナンス動向。著書『北欧の幸せな社会のつくり方: 10代からの政治と選挙』『ハイヒールを履かない女たち: 北欧・ジェンダー平等先進国の現場から』SNS、note @asakikiki

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