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日本の現役アイドルでは初?IZ*ONE宮脇咲良が韓国で初レギュラー番組を持つ意義

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
中央が宮脇咲良(写真:『みんなのキッチン』公式サイトより)

今年2月6日に日本デビューを果たした日韓合同ガールズグループIZ*ONE(アイズワン)。

昨年6月から放送された韓国の人気オーディション番組『PRODUCE48』(Mnet)から誕生し、宮脇咲良、矢吹奈子、本田仁美らAKB48メンバー3人も参加する12人組は、デビュー直後から人気を集めている。

日本初イベントに4000人

2月6日に行われた日本デビューショーケースには約4000人のファンが集結。デビューシングル『好きと言わせたい』はオリコンデイリーランキングで1位に輝き、2月15日には『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)初出演も果たした。

(参考記事:【PHOTO】韓日合同ガールズグループIZ*ONE、日本初イベントに約4000人

韓国でもIZ*ONEは人気だ。

日本に先立って昨年10月にリリースされたデビューアルバム『COLOR*IZ』は、初週売上が8万822枚を記録。韓国国内で発売されたK-POPガールズグループのデビューアルバムの売上最高記録を更新した。

今年1月には、“韓国のグラミー賞”とされる音楽授賞式「ソウル・ミュージックアワード」で新人賞を受賞している。

そんな韓国で、日本人メンバーのひとりである宮脇咲良がレギュラーを務めるバラエティ番組の放送がスタートした。

日本芸能界の美女たちも出演

2月24日の午後7時40分からケーブルテレビ局Oliveで放送開始された『みんなのキッチン』がそれだ。

『みんなのキッチン』は、“ソーシャルダイニング”をコンセプトにしており、出演者たちが料理をつくりながらコミュニケーションするバラエティ番組だという。

宮脇のほか、司会者のカン・ホドンやボーイズグループZE:Aのグァンヒ、俳優のクァク・ドンヨン、女優のイ・チョンアらが出演。昨年末に特番扱いで放送されて反響を呼び、毎週日曜のレギュラー放送が決定した。

これまでも、日本の芸能人が韓国のバラエティ番組に出演したことはあった。

「ユミン」の芸名で活躍した笛木優子や、グラビアアイドル・歌手の篠崎愛がそうで、韓国で“清純のアイコン”とされる藤井美菜などはバラエティ番組出演をきっかけにブレイクしていた。

(参考記事:【厳選5名】“清純のアイコン”に“次世代セクシーアイドル”も。韓国で活躍する日本芸能界の美女たち

ただ、そのなかでも宮脇のレギュラー出演は注目度が高い。

IZ*ONEのメンバーだが、元は日本の現役バリバリのアイドル。かつてKARAが日本で『URAKARA』の題したレギュラー番組をもったことは記憶しているが、日本の現役アイドルが韓国でレギュラー番組を持った例は記憶にはない。

韓国で活動中の日本人K-POPアイドルとしてはRUIもいるが、レギュラー番組を持つまでには至っていない。そんな中で現役バリバリの日本のアイドルが韓国でレギュラー番組を持ったのだから、注目を集めるのも当然かもしれない。

「『みんなのキッチン』宮脇咲良、癒し+面白さを届けるクッキング妖精」(『スポーツ東亜』)、「IZ*ONE宮脇咲良、顔もかわいくて料理まで上手!」(『SPOTVNEWS』)など、韓国メディアも数多く報じている。

もっとも、宮脇が韓国で活動を始めて日が浅いのも事実だろう。

現在も韓国語を勉強中という中、当初はテレビ局側も、宮脇がバラエティ番組でコミュニケーションを取れるか心配していたらしい。

国民的MCの励まし

『みんなのキッチン』のチーフ・プロデューサーを務めるパク・ソンヒョク氏は、韓国メディアにこう明かしている。

「実際、特番のときは(宮脇は)韓国語も拙かったため、悩んだのも事実だ。しかし、カン・ホドンが何を悩んでいるのかと言った。

良いと思ったなら信じればいいし、自分が通訳アプリでも使いながら進行すると話した」

つまり、カン・ホドンの“一押し”があったからこそ、宮脇の出演が決まったということだろう。

カン・ホドンは韓国では知らない人がいないほどの人気者で、“国民的MC”とも称される超有名人。その発言がニュースになることも多く、影響力の大きさゆえに兵役免除になったことなども関心を集めてきた。

(参考記事:「えっ、そんな理由で?」兵役を免除された20人の韓国芸能人を一挙紹介

そんなカン・ホドンの一声で宮脇の出演が決まったことも話題になっているが、宮脇自身も韓国語を猛勉強しているそうだ。パク・ソンヒョク氏は言っている。

「(宮脇)咲良は韓国語を一生懸命に勉強していて、ノートにぎっしりと書いてくる。自分が準備してきた食材も韓国語を覚えてくる。

韓国では新人だが、日本では8年以上やってきたアイドルだ。今後成長し、韓国語が上達したときは、我々が知らない文化や見方について話せる。期待が大きい」

IZ*ONEが人気を広げる中、注目を集める宮脇のバラエティ番組初レギュラー出演。

『PRODUCE48』の放送当時は、宮脇の「悔しい」発言が誤訳されて炎上]したこともあったが、はたしてバラエティ番組での姿はどんな反響を呼ぶだろうか。日韓合同ガールズグループの韓国での活動にも引き続き注目していきたい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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