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ゲームキャプテンで復帰の立川理道、「代表のプライド」をどう見せる?【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
不動のインサイドセンター。攻守で渋く光る。(写真:FAR EAST PRESS/アフロ)

ラグビー日本代表は5月6日、東京・秩父宮ラグビー場で香港代表とのアジア・ラグビーチャンピオンシップ(ARC)第3戦目に挑む。昨秋のツアーでキャプテンだった立川理道が実戦復帰し、ゲームキャプテンを務める。

今回の日本代表は若手中心の編成。主力候補はサンウルブズの一員として、国際リーグのスーパーラグビーに参戦中だ。

両チームは選手を行き来させて同種の戦術を採用するなど、ち密に連携を図る。6月や11月にベストメンバーが組まれる代表チームの強化を下支えする。

27歳の立川は2季連続で参戦のサンウルブズでもキャプテンを任されたが、開幕前に膝を痛めたため一時離脱。4月中旬から今度の日本代表の合宿や練習に参加し、本格的な復帰を目指していた。

以下、共同取材時の一問一答(編集箇所あり)。

――コンディションは。

「怪我する前よりも戻ってきていると思いますし、いい状態です。6月のテストマッチを最優先に考え、なるべく早く復帰しながらどのタイミングで試合に戻るかを話した結果、ここになった。思った以上に早く復帰できました」

――復帰戦でゲームキャプテンを任されました。

「このチームでは流(大キャプテン)が引っ張っていた。今回は僕がゲームキャプテンですけど、流は今回もリザーブにいるし、堀江さん(翔太、昨秋にキャプテンを務めた)もいる。(金)正奎など、若手でもリーダーシップを取れる選手もいっぱいいる。そういう選手とうまくチームをまとめていけたらと思います」

手術も検討したが、メスを入れた場合の復帰時期はテストマッチの直前になるという。「6月が一発目になるのはしんどかった」。大本番を前に実戦を積みたいとの意向から、「(カムバックのタイミングは)ここになった」という。

――スタンドオフは23歳の松田力也選手で、アウトサイドセンターは21歳の鹿尾貫太選手。両隣は若手が揃います。

「思い切りのいい2人なのでのびのびさせたいな、と思います。うまく引き出しながらやっていきたい」

――特に鹿尾選手とは、一緒に居残り練習をするなど多くの時間を共にしています。

「合宿初日で皆の心を掴むようなキャラクターで。その明るさをプレーでも出して欲しいと思いますし、本人も、自分の強みはタックルや思い切りの良さだと考えている。そういうところを、さっきも言ったように引き出す。いいファーストキャップにしてあげたいなと思います」

リーダーが組織を整え、組織のほころびを率先してカバーすることで、周りの選手は「思い切り」よくプレーできる。立川は復帰への個人目標を聞かれると、その意を改めて示した。

――いよいよ、復帰戦となります。

「特別なプレーはできないので、しっかりと泥臭く。こういう若手のチームだからこそ、自分が率先して地味な仕事をやって、代表としてのプライドみたいなところをプレーで見せられたら」

代表のジャージィをまとって、首脳陣の求める下仕事をぶれずにやり切る。それが「代表としてのプライド」である。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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