「北極点がイギリス側に移動」という新事実
グリーンランドの氷が急速に融解
ある調査によると、今週月曜日(11日)グリーンランド氷床で、全体の12%にあたる氷が一気にとけた可能性があるようです。
そもそもグリーンランドの氷がとけるシーズンは夏なので、それよりも2か月も早い時期に、記録が刷新されたことになります。
気候変動によって北極点が移動
ところで先日、氷の融解などによって、地球の北極点が著しく移動している――、とする論文が"Science Advances誌"に発表されました。
地球はコマのように、見えない軸(地軸)を中心に回転しています。この軸が北極と交わるところが北極点です。北極点は東西に向きを変えながらも移動してはいますが、全体的にはカナダのハドソン湾に向って移動していました。
しかし、この論文によると、2000年以降、その向きが75度も東に変わり、今はイギリスの方向に移動しているのだといいます。しかも、方向だけではなく、移動速度も劇的に変化し、かつては一年で10センチ程度であったものが、今では17センチにもなっているようなのです。
なぜか
この論文は、原因が気候変動にあると指摘しています。グリーンランドや南極の氷床がとけたり、ユーラシア大陸やインド亜大陸などの陸上で大雨や干ばつが起きたりすると、地球上の重量バランスが変わり、北極点の位置が変わってしまうというのです。
どんな変化が起こるか
移動の変化が、センチメートル単位でごく小さいことから、研究者は現時点では我々の生活に影響を与えないとしています。しかし、気候変動が自転の回転にまでも変化をもたらす可能性が分かったことで、今後の温暖化対策が急務となることは言うまでもないでしょう。