中国の人口が14億人を突破 ! でも3000万人の男が余る?
中国大陸の人口がついに14億人の大台を突破した。国家統計局がきょう発表した統計によれば、2019年末までに中国大陸の総人口は、14億5万人に達した。前年末より、467万人増加した結果である。
人口は国力。だが...
人口は国力である。しかし、14億の人口を抱えるにいたった中国の前途は必ずしも明るくない。2015年まで続いた産児制限、いわゆる一人っ子政策の影響などにより、中国社会は、急速な高齢化が進んでいる。出生率の低下も続いている。
労働人口の減少、高齢化
16歳から59歳の労働人口は、2019年に8億9640万人となった。前の年より89万人の減少であり、2012年以来の8年連続減少となった。労働人口の減少は、2020年以降はさらに加速するとみられている。
経済成長は...
同日に発表された2019年のGDP国内総生産の成長率は、6.1パーセント。6から6.5パーセントと設定した政府目標は辛うじて達成したが、29年ぶりの低成長である。直接的には、アメリカとの貿易摩擦が、影響したとみられるが、もはや中国を世界2位の経済大国に押し上げた「世界の工場」としての経済パワー、即ち、安い人件費を強みにした労働集約型の製造業に頼る経済成長は、今後あまり期待できない。
深刻な男あまり
人口14億の男女比をみると、女性は6億8478万人、男性は7億1527万人。女性100に対し、男性が104.45と多くなっている。
中国の抱える問題の1つがこの男女比のアンバランスである。男性が3000万人以上多い。男余りが深刻なのである。もちろん、これだけを理由にすることはできないが、特に農村での深刻な嫁不足によって、女性を売買の対象とする事件があとを絶たない。外国人女性や、知的障害のある女性が、その被害者になるなど、中国社会に陰惨な側面を生む1つの理由になっているのは事実である。
中国政府は、今年を貧困からの脱却を達成する年としている。14億人の国民1人1人の生活の質を向上させてこそ、本当の大国である。