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「あのグループ、うるさいから注意してよ!」お客様から他のお客様へのクレームを、円満に解決する方法

樋口智香子マナー・コミュニケーション講師

「あのグループ、うるさいから注意してよ!」

飲食店で、こんなクレームがあったとします。
お酒が入り、大きな声で盛りあがっているグループのお客様と、それを迷惑に感じている他のお客様。店にとっては、どちらも大切なお客様です。双方の気分を害すことなく、スムーズに解決したいですね。
お勧めの方法をご紹介します。

これはNG!双方の気分を害する言い方

「他のお客様から、苦情が届いておりますので・・・」

このように、他のお客様からの指摘だと伝えるのはNGです。
店内に、不穏なムードを作ってしまうからです。
言われた側は「いったい誰が、そんなことを言っているのだろう?」と、店内の利用客を嫌な目で見てしまいます。
さらに万が一、スタッフの言葉が、ご意見を言ったお客様に届いたなら「わざわざそこまでお言わないでよ」と思うはず。どちらにしても、双方の気分を害してしまいます。

店内の雰囲気を、心地よいものにするのは、スタッフの役目でもあります。
他のお客様に言われたから、という他責のスタンスはNGです。

3ステップで、上手に伝える

では、どのように伝えるのがよいか、3ステップでご紹介します。

1.楽しんでいただけていることを、喜ぶ

まずは、グループのお客様が大盛り上がりするほど楽しんでいることを、プラスに受けとめましょう。そのことを、言葉で伝えます。

「ご歓談中、失礼いたします。」

このシンプルな言い回しでも、十分、伝わります。

2.クッション言葉+依頼形+申し訳ないという態度

次に、静かにしてほしいということを伝えますが、このときの態度が、とても重要です。
”せっかく楽しんでいるのに、水を差してしまって、本当に申し訳ない”という気持ちを、表情や態度に表してください。低姿勢で、申し訳なさそうな顔をして、声をかけましょう。

「恐れ入りますが、店内に少々お声が響いているようでございます。
もう少々、お話し声のボリュームを下げていただけますでしょうか。」

このように、クッション言葉(恐れ入りますが)を添えて、依頼形(~していただけますでしょうか)で伝えてください。

3.明るくフォロー

最後に、場の雰囲気を悪くしないよう、明るくフォローしましょう。

「お食事中、失礼いたしました。何か足りてないものなど、ございませんか。どうぞこの後も、ぜひごゆっくりお楽しみください。」

”あなたを歓迎しています。引き続き、楽しんでくださいね”という、承認のメッセージを伝えましょう。

その後も、居心地よく過ごしてもらうために、飲み物が足りているかを確認、空いた皿を下げるなどの、細やかな気遣いを続けましょう。

ご意見をいただいたお客様にもフォロー

忘れがちなのが、ご意見をいただいたお客様へのフォローです。

例えば、このような言葉がけがお勧めです。

「先ほどは、行き届かずに失礼いたしました。
何か足りてないものなど、ございませんか。
また何か、お気づきの点がございましたら、何なりとお申し付けくださいませ。」

クレームを言った側にも、後味の悪さはあるものです。その気持ちを払拭するような、あたたかい言葉がけをしましょう。

以上、お客様から他のお客様へのクレームが出たときの、解決方法についてお伝えしました。

マナー・コミュニケーション研修講師
樋口智香子

マナー・コミュニケーション講師

マナー・コミュニケーション研修講師。千葉県出身、元資生堂ビューティコンサルタント。NLP心理学とマナーをかけ合わせたプログラムにより、ビジネスマナー研修・接遇マナー研修・コミュニケーション研修棟を実施。全国250か所から招致され、指導人数は延べ20000人以上。セミナー・研修の他、書籍の出版、コラム執筆、雑誌記事や教材監修など幅広く活動中。

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