殿堂選考でボンズやクレメンスが不人気の理由は!? 得票率は25%未満。過去の記者投票では65%以上も
委員会による殿堂選考の結果が発表された。8人の候補のうち、フレッド・マグリフは、コンテンポラリー・ベースボール・エラ・コミッティの16人全員から票を得たが、他7人は、殿堂入りに必要な得票率75%(12票)に届かなかった。ドン・マッティングリーが8票、カート・シリングが7票、デール・マーフィーが6票。あとの4人、アルバート・ベル、バリー・ボンズ、ロジャー・クレメンス、ラファエル・パルメイロは、4票未満だ。
この結果は、8人が記者投票で得た票の多少とは、必ずしも一致しない。それぞれが記者投票で記録した、最も高い得票率の順に8人を並べると、シリング(71.1%)、ボンズ(66.0%)、クレメンス(65.2%)、マグリフ(39.8%)、マッティングリー(28.2%)、マーフィー(23.2%)、パルメイロ(12.6%)、ベル(7.7%)となる。なかでも、ボンズとクレメンスの2人は、記者の65%以上から票を得た年があるものの、委員会の得票率は25%に届かなかった。
今回の委員会は、球団のオーナーやGMなどを務めているか、務めたことのあるエグゼクティブが7人、記者とブロードキャスターのメディア関係者が3人、殿堂選手は6人、グレッグ・マダックス、ジャック・モリス、ライン・サンドバーグ、リー・スミス、フランク・トーマス、アラン・トラメル、という構成だ。
エグゼクティブと元選手は、メディア関係者よりもPED(パフォーマンス向上薬)の使用もしくは使用疑惑に厳しい、ということかもしれない。ちなみに、今回の場合、エグゼクティブと殿堂選手の全員から票を得れば、7票+6票=13票となり、メディア関係者の票がゼロでも殿堂に入るが、エグゼクティブとメディア関係者の合計だけでは12票に達しない。殿堂選手とメディア関係者の合計も同様だ。
あるいは、委員会のメンバーの年齢が理由という可能性もある。世代によって、PEDに対する考え方に違いがあるのかどうかはわからないが、50歳以下のメンバーは、48歳のセオ・エプスティーンだけ。ロサンゼルス・エンジェルスのオーナー、アルトゥーロ・モレノら3人は70歳を超えていて、16人の平均年齢は60.1歳となる。記者投票における投票者の平均年齢は不明ながら、もっと下ではないだろうか。
なお、マグリフは、ルー・ゲーリッグと並び、歴代29位の493本塁打を記録している。マグリフよりも多くのホームランを打った、500本塁打以上の28人中、殿堂入りしていないのは9人だ。まだ投票にかかっていない2人、703本塁打のアルバート・プーホルスと507本塁打のミゲル・カブレラ(デトロイト・タイガース)を除くと、あとの7人、762本塁打のボンズ、696本塁打のアレックス・ロドリゲス、609本塁打のサミー・ソーサ、583本塁打のマーク・マグワイア、569本塁打のパルメイロ、555本塁打のマニー・ラミレス、509本塁打のゲリー・シェフィールドは、いずれもPEDに関わりがある。