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藤井三冠「決め手の見つからない時間が長かった」横山七段「着実に寄せ切られた」順位戦終了後コメント

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

藤井聡太三冠「(相掛かりの後手番で)あまり経験がない形で、一手一手難しい展開が続いたような気がします。そのあと(68手目△7七角成と)角を切って攻めていったところがあったんですけど。進んでみるとあんまり、思ったほど成果があがってない気がしたので。なんか、その前にもう少し、穏やかな順を選ぶべきだった。中盤は一手ごとに非常に難しい展開が続いていたので、けっこう長考が続くような形になりました。終盤はなかなか決め手の見つからない時間が長かったのかなあ、という気がします。(リーグ前半6局を終えて5勝1敗という成績で)まずまずいい形で折り返せたかな、と思うので、後半戦もこれまで通り、せいいっぱい指したいと思います。(A級への)昇級を目指せる位置だと思うので、残り6局、全力を尽くしてそれを目指したいと思ってます」

横山泰明七段「定跡とはかけ離れた将棋で、一手一手ちょっと手探りだったので、とても難しい将棋でした。途中からは少しずつ苦しくなって。粘ったんですけど、そのまま着実に寄せ切られたかなと思いました。(37手目、58分考えて▲2八歩と辛抱したところでは▲3四飛と前に出る順もありそうだったが)行くか行かないか、非常に悩んだんですけど。あとあと苦しくなってしまったので、もしかしたらそういうところで少し踏み込んだ方がよかったのかもしれないです。ちょっと自分にはわからなかったです。(前半6局を終え3勝3敗という成績で)一局一局がやっぱり、大変だなという感覚があります。自分なりにがんばっていきたいと思います。指し分けなので、1つでも多く勝てるようにがんばりたいと思います」

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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