関東は強い寒気の南下ではなく、寒気の南下が弱まったことによる雪
札幌で低い気温の記録更新
北日本に今冬一番の非常に強い寒気がシベリアから南下しています。
このため、2月8日9時には札幌の上空約1500メートルで、昭和32年(1957年)の統計開始以来最も低い氷点下24.4度を観測しました。
これまでの記録は、昭和59年(1984年)12月24日に記録した氷点下24.0度でした。
このため、北日本を中心として暴風雪となり、札幌では日中の最高気温が氷点下10度を超えませんでした。
そして、北海道の内陸部では2月9日の朝の最低気温は氷点下30度を下回る予報となっています。
しかし、非常に強い寒気の南下は北日本どまりで、西高東低の冬型の気圧配置も北日本が中心です(図1)。
厳しい寒さの北海道のニュースのあとに、関東地方で大雪とのニュースが流れましたので、「北海道を襲っている寒気が南下して関東で大雪をもたらす」という印象をもった人が多いと思います。
しかし、北海道の非常に強い寒気は南下せず、弱まって東進します(図2)。
上空約1500メートルで氷点下24度という寒気は東進して弱まり、関東南岸まで南下していた氷点下6度線も、房総半島先端付近から東京湾の奥のほうまで北上しています。
雨と雪の境目の目安が、上空約1500メートルの気温が氷点下6度ですので、東京では、降れば雪という気温から、雨になるかもしれないという気温に変わってきます。
関東南岸に低気圧発生
寒気の南下が弱まると日本の南海上を低気圧が発達しながら進み、関東地方の大雪をもたらすというのが、これまでに多い例です。
しかし、今回は、日本の南海上を低気圧が発達するのではなく、寒気が少し弱まったあとに、関東の南海上の空気が集まってきたところで発生する小さな低気圧によるものです。
小さな低気圧が発達して雲が北に伸び、その一部がかかって雪となるものです(図3)。
雪に慣れていない東京都心部では、5センチも降れば交通機関が大混乱しますので、気象庁では大雪という言い方をして警戒を呼びかけますが、雪の多い地方の人にとってみれば、「これで大雪?」という雪の量での警戒の呼びかけです(図4)。
関東は雪で始まり雪で終わる三連休
関東地方では、建国記念の日を含む三連休は、北風が吹いて気温が上がらず、連休が始まる2月9日と、連休が終わる11日は、雪が降る予報になっています(図5)。
2月11日も関東の南海上に小さな低気圧が発生して雪の予想です。
連休最後の日の雪の量によっては、連休明けの交通機関に大きな影響を与えます。
今のところ、2月9日より雪の量は多くない見込みですが、不確定要素が多くあり、最新の気象情報でチェックが必要です。
図1、図2、図3、図4、図5の出典:ウェザーマップ提供。