【今日は韓国の何の日?】 1月2日「朝鮮半島域内で歴史的寒さ」 韓国メディアが一斉に報道
1997年1月2日に、中朝国境地帯の白頭山(ペクトゥサン)で気温マイナス51度を記録。「聯合ニュース」などが「北朝鮮地域の最低気温は零下51度」として伝えた。1月2日は「朝鮮半島での歴史的寒さ」を記録した日となっている。
地球上の低気温の記録は1983年7月21日に南極大陸にある旧ソ連のボストーク基地での「マイナス89.2度」だが、1997年1月2日の白頭山地域の記録「マイナス51度」もなかなかのもの。人間の定住地域(エクメーネ)でもっとも寒いとされるロシアのオイミャコン村の1月の平均気温が「マイナス50度」だからだ。南極大陸以外ではかなりの寒さ、というところ。
「連合ニュース」は03年の記事で、北朝鮮の97年当時の「平壌放送(北の海外向けラジオ)」での報道ぶりをこう伝えている。
「新年初日の1月1日、頂上近くにどんぐりの雹と直径が1.8に達する雪片が注ぎ、積雪量が2mを超えた。翌2日、悪天候が収まったかと思えば気温が急激に低下。零下51度を示した。白頭山天地のこのような記録は、去る1943年1月に観測された零下47.5度よりも3.5度低い。(活火山である)白頭山の頂上が形成されて以来、初めての出来事だ」
- 山頂付近の様子
なぜ北朝鮮域内でのこの出来事が韓国でニュースとして報じられたのか。ひとつはこの地が「韓民族が生まれた聖地」として伝わってきたからだ。19世紀終わりから20世紀(朝鮮王朝時代末期)に、白頭山を朝鮮人のナショナリズムの象徴とする運動が生まれた。
つまりこの地への思いが強い。韓国国歌でも「白頭山」は冒頭部分で歌われる。また2002年釜山アジア大会を契機とした南北交流の際、韓国ではよく「(北端の)白頭山から(済州島の)漢拏山まで」というフレーズが聞かれた。北朝鮮にある民族の聖地、という位置づけだ。
- 2018年の南北首脳会談時には両首脳が当地を訪問した
韓国は憲法上の自国領土を「第三条 大韓民国の領土は韓半島とその付属島嶼とする(第3条)」としている。北朝鮮領域も自国だが、あくまで「不法に支配されている地域」という位置づけだ。現実的に一般の国民はもはや「北朝鮮を別の国」と見る向きが強いが。
この”憲法上の規定”の影響を韓国の日常でも感じられるのが、まさにこの「天気のニュース」だ。テレビニュースでの天気予報では今でも日常的に「朝鮮半島の情報をまとめて伝える」という習慣があり、平壌の天気をサラッと伝えることがある。
またソウル近郊を「中部地方」、全羅道や慶尚道を「南部地方」として伝える。これは半島全体を「北部」「中部」「南部」と分けて考えるため。他ジャンルでもこの「中部」という言葉は聞くことがあるが、一番なじみがあるのは天気予報、という印象だ。