【今日は韓国の何の日?】1月1日「韓国国民の海外旅行解禁」「釜山市昇格」「日本との時差が撤廃に」
韓国の1月1日は公休日。ただし日本とは違い、2日以降は通常の平日モードに戻る。毎年、旧暦の正月を盛大に祝うためだ。
一年最初の日、歴史を振り返ると、様々な区切りの日になっている。
1989年1月1日には、韓国国民の海外旅行が完全許可となった。
それまで韓国国民の海外旅行には大きな制限があった。第3国での北朝鮮との接触を制限することが大きな理由だった。
83年、一般国民向けの観光パスポートが初めて発行されたが、50歳以上に制限され、さらに観光預金金名目で200万ウォンを納入しなければならなかった。
- 1990年頃までには出国前の「反共教育」は続いた。当時のニュースより
またソウルオリンピックが開催された1988年までは海外に出るには30歳以上で、公務・出張・留学など目的が明確でなければならなかった。
その後、盧泰愚政権下の89年1月1日を境にパスポートの発行に年齢制限がなくなった。
これを機に韓国の海外旅行者は爆発的に増え続けている。
海外旅行自由化直前(1988年)には年間72万人だった韓国国民の出国者数が、コロナ時代前までには20倍以上に増加した。海外旅行商品を取り扱う会社は89年初めの300社から2010年代中盤の時点で9400社あまりとなっている。
1963年1月1日には、韓国第2の都市圏釜山市が内務部(省)直轄市に昇格した。これにより行政区分としては慶尚南道から独立することに。ただし名称はそれまで通り「釜山市」だった。
- 前年の12月、直轄市昇格を祝う式典の様子
その後1981年に名称が「釜山直轄市」に。さらに1995年、地方自治制が実施され、現在の「釜山広域市」という名称となっている。
周辺地域を編入してきた釜山広域市の人口は約341万人。これはソウルの973万人に次ぐ第2位。市内の区の数15も、ソウルの25区に次いで第2位だ。
日本統治下の1912年1月1日には、もともと日本との間にあった30分の時差が撤廃された。日本と同じ東経135度の標準子午線が採用されたためだ。
- 6年前には北朝鮮が「元々の標準時を採用し、ソウルと30分の時差」のニュースが。しかし2018年の南北首脳会談の際、金正恩氏の鶴の一声で韓国(日本)と同じ標準時に戻した
この標準時は、1945年に日本の統治から解放された後にも、日韓両国に駐留した米軍の作戦便宜などによりしばらく維持された。1954年には李承晩大統領令により、日本とは違う(朝鮮半島の元々の)東経127.5度を標準子午線としたが、1961年には軍事クーデターにより「日本標準時」が復活する。
これは「朝鮮戦争の再開に備え、在日米軍の参戦を考えて」のことだった。現在もソウル市内の徳寿宮にある朝鮮半島古来の「日時計」は、実際の時刻と違う時間を指す。これは日本と同じ標準時を採用しているためだ。