「金正恩視察」で判明した「ミサイル乱射」の狙い! 戦術誘導ミサイルに模擬の核弾頭を搭載!
今朝の朝鮮中央通信は労働党創建日の今日(10日)、金正恩(キム・ジョンウン)総書記が9月25日から10月9日にかけて一連のミサイル発射に立ち会っていたことを明らかにした。
金総書記がミサイルの発射に立ち会ったのは咸鏡南道・咸興から戦術誘導ミサイル2発が発射された4月16日以来である。
移動式発射台から発射されたこの時のミサイルについて北朝鮮は「新型戦術誘導ミサイル」と伝え、「戦術核運営の効果性を強化した」と報じていた。こうしたことからこの「新型戦術誘導ミサイル」が核搭載用ミサイルとの見方が広まっていた。
北朝鮮は9月から10月9日までに計7回、ミサイルを発射しているが、「朝鮮中央通信」によると、9月25日に平安北道・泰川から午前6時53分に日本海(東海)に向けて発射された北朝鮮版「イスカンデル」と称される地対地戦術誘導ミサイル1発(日本の発表:最高高度50km、飛距離400km、韓国の発表:高度60km、射程距離600km、マッハ5)について北朝鮮は「貯水池水中発射場から模擬の戦術核弾頭を搭載したミサイル発射訓練であった」として、訓練の目的は「戦術核弾道の搬出及び運搬、作戦時の迅速で安全な運営を確認し、戦術核ミサイルの水中からの発射能力を熟練させ、迅速に対応できる体制を検証することにあった」と伝えている。
発射されたのは「イスカンデル」ではなく、5月7日に日本海に面した新浦付近で初めてテストされたミニSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)を陸地の貯水池から発射されていたこともわかった。
また、9月28日には平壌市・順安から午後6時10分から20分までの間に日本海に向け短距離弾道ミサイル2発を発射(韓国の発表:高度30km、飛距離360km、マッハ6)しているが、このミサイル発射は「韓国の飛行場を無力化する目的で模擬の戦術核弾頭を使用した発射訓練であった」と、これまた核攻撃のための発射実験であったことを明らかにした。
翌9月29日に平安南道・順川から午後8時47分と20時53分に発射された短距離弾道ミサイル(2発)と10月1日に平壌市・順安一帯から発射された同じ短距離弾道ミサイル(2発)については「該当の設定目標を上空爆発と直接精密及び散布弾打撃の配合で命中させることで武器体系の正確性と威力を確証した」と報道していた。
さらに北朝鮮は10月4日の午前7時23分に慈江道・舞坪里付近から発射され、日本列島を飛び越えた中距離弾道ミサイル「火星12」(日本の発表:最高高度約1000km、飛距離約4600km)については「新型地対地中距離弾道ミサイルを日本列島を横断さえ、4500kmの太平洋上の設定された目標水域を打撃する訓練だった」として、今回発射された「火星12」が新型中距離弾道ミサイルであることを明らかにした。
なお、10月6日の平壌市・三石から午前6時1分から23分の間に発射された2発のミサイルについては1発目は超大口径放射砲(多連装ロケット)で、もう1発が戦術弾道ミサイルで、いずれも「(目標物に)命中させる訓練であった」と伝えている。
日本(防衛省)は1発目は最高高度約100km、飛距離約350km、2発目は最高高度50km、飛距離約800kmと推定したが、韓国は「1発目は高度約80km、飛距離約350km、2発目は高度約60km、飛距離800km」と発表していた。
さらに、昨日(9日)深夜の1時47分と1時53分頃に日本海に面した江原道・文川から発射された短距離弾道ミサイル2発については「敵の主要港を打撃する模擬の超大口径放射砲射撃訓練を行った」と伝えていた。
日本は1発目は「最高高度約100km、飛距離約350km、2発目は最高高度約100km、飛距離約350km」と発表し、韓国は飛距離は同じだが、高度はいずれも90kmと推定していた。
金総書記は一連のミサイル発射を参観した後、「我々は敵と話す内容もないし、対話の必要性も感じない」と述べ、「まずはより強力で断固とした意志と行動で膨大な武力を常に持ち込み、地域の情勢を激化している敵らにより明白なシグナルを送るべきだ」と語り、「必要な場合は、相応のあらゆる軍事的対応措置を強力に実施していく」との決意を表明していた。