「例のプール」の商標登録出願について
ツイッターに商標の公開公報をフィードしてくれる商標速報botのとあるツイートが話題を呼んでいます。
多くの人(特に男性)が見覚えのある絵ではないかと思います。出願人の株式会社デイトナ・インターナショナルはアパレルの会社のようです。指定商品は貴金属類、かばん類、被服等であり、ビデオや動画配信は含まれていません。まだ出願されたばかりで査定が出るのはだいぶ先(およそ1年後)です。
ひょっとして偶然の一致かとも思いましたが、Googleの類似画像検索で調べるとそうではないことがわかりました。普通に「例のプール」ブランドとして展開しているようです。
このイラストは今年(2019年)の3月13日にThat POOLの文字付きの結合商標としても出願されていますが、11月に良品計画のPOOLという先登録文字商標との類似を理由に拒絶理由が通知されています。それがイラストだけで再出願した理由かもしれません。
さらに、デイトナ社は、「That Pool」と「例のプール」の文字から成るロゴ商標も出願しています(出願1、出願2)。なお、出願1の方は同じく良品計画の先登録との類似を理由に拒絶理由が通知されています。
このイラスト出願は登録されるのでしょうか?プールのイラストが他の写真やビデオの著作権を侵害するという主張はちょっと無理筋かと思われます。また、商標として「他人の商品と混同を招く」ということもないと思われます。ゆえに、今回の商標登録出願は普通に通ってしまうのではないかと思います。
ということで議論のポイントはちょっと昔の「大迫半端ないって」のように、ネットのミームとして「みんなのもの」的なイメージのある言葉や画像を特定企業が商標として独占しようとするのはどうなのよと言った点に帰着すると思います。