「フエルナンデス」の商標権はどうなってしまうのか?
「布袋寅泰さんら愛用、エレキギター”FERNANDES”製造元が事業停止…GACKTさん”寂しいの一言に尽きる”」というニュースがありました。有名な国産ギターメーカーのフェルナンデス社が経営不振により事業停止状態となり、破産申請の準備に入ったという話です。ある程度昔からギターを弾いていた方にとっては感慨深いニュースではないでしょうか?
同社が所有する商標権を調べてみると13件見つかりました。一番古い「フエルナンデス」の文字商標("エ"は大文字)(登録0951062号)は、昭和45年登録の歴史ある登録商標です。指定商品は「楽器,演奏補助品,音さ」(15類)です。
一般に、企業が破産すると商標権はどうなってしまうのでしょうか?
商標権も財産権なので、不動産や有価証券等々の他の財産と同様に破産管財人の手に委ねられます。そして、売却または放棄の手続が取られることになりますが、税金の滞納がある場合には国税局(あるいは地方自治体)に差し押えられて、オークションにかけられることもあります。
ロックバンド「黒夢」のマネージメント事務所が倒産して「黒夢」の商標権がオークションにかけられた件については過去に書きました(その中で、YOZANの倒産に伴う「着メロ」の商標権のオークションについても書いています)。「フエルナンデス」の商標権についても同様の状況になる可能性はあると思います。
商標権は持っているだけで特に価値を生み出すわけではないので、何らかのビジネスに活用できる人・会社でないと買う意味はありません。フェルナンデスのブランド知名度はそれなりにあると思いますので、このまま放棄されるのももったいないと思います。どこかの楽器メーカーやリペアショップなどが買い取るのではないでしょうか?
なお、フェルナンデスのギターは中古市場に数多く出回っており、その中には、アーティストのシグネチャモデル等、価値の高いものもあると思われますが、真正品の中古品の売買には商標権の効力は及ばない(中古品の売買からライセンス料を得ることはできない)点にはご注意下さい。