13日、俳優レオナルド・ディカプリオさんTwitterで食品ロスに言及
2021年3月13日(土)日本時間の1:00am、俳優のレオナルド・ディカプリオ(Leonardo DiCaprio)さんが、Twitterで、食品ロスに関する報道をRT(リツイート)している。私見を述べているわけではないが、TwitterでRTしたということは、人々に知って欲しいと思ってのことだろう。世界的に名の知られた俳優が食品ロスの問題に触れるのは珍しい。
映画の出演作では『タイタニック』が最も知られている。
レオナルド・ディカプリオさんは、俳優業の一方、環境系の活動でも知られており、環境保護団体「レオナルド・ディカプリオ財団」LEONARDO DICAPRIO FOUNDATIONを立ち上げている。2015年には世界の環境保護団体へ寄付、2019年のアマゾン火災では500万ドルの寄付を発表している。
レオナルド・ディカプリオ財団が設立した基金は、寄付のみならず、研究者の研究支援にも役立っている。
ディカプリオさんは、これまで環境保護についての活動は知られていたが、食に関する発信は、目にしたことがなかった。食料廃棄の及ぼす環境への甚大な影響を知ってツイートしてくれたのであれば、大変ありがたい。
「17%」は「消費者が小売・外食・家庭で入手し得る食品のうちの17%」
食品ロス問題について、ある程度知っている人なら聞き慣れた数字がある。「3分の1」だ。世界の食料生産のうちの3分の1が捨てられている、というものだ。国連FAOが発表したデータに基づいている。世界の食料生産のうち、3分の1にあたる13億トンが廃棄されている、というものだ。
じゃあ、この「17%」っていうのはなんだろう?3分の1(約33%)より減っているじゃないか、ということだが、これは、「消費者が入手できる食品のうちの17%」という意味だ。農場などで一次生産された野菜などが貯蔵され、運ばれ、加工・製造されて流通にのり・・・といった、食品関連事業者のみが入手できる食品は含んでいない。
下の図でいうと、上の段のように、農場から流通に至る過程で発生する食品の廃棄をFood Loss(フードロス)という。下の段にある、小売・外食・家庭で発生するのがFood Waste(フードウェイスト)。
「3分の1」というのは、Food Loss(フードロス)とFood Waste(フードウェイスト)の2つを合わせた全体の「3分の1」ということ。
「17%」というのは、下段のFood Waste(フードウェイスト)のうちの17%ということ。下段の小売・外食・家庭は、消費者が入手し得る段階ということになる。
食品ロスは世界の温室効果ガス排出源の8〜10%
英WRAP(ラップ)が展開する、食品ロス削減の啓発活動「LOVE FOOD HATE WASTE」は、レオナルド・ディカプリオさんのツイートを即座に見つけて、その24分後に次のようなコメントを書いている。
そうなんです!食品ロスの廃棄は気候変動の原因になることを知っていましたか?食べ物を無駄にするのを減らす方法はこちらから→Food Waste Action Week
英国は、「食品ロスが気候変動に大きく影響する」ことを、ここのところ、何度も強調している。下記ツイートでも、食べ物の無駄は気候変動に大きく影響することを強調している。
レオナルド・ディカプリオさんが引用した報道は、2021年3月4日の日本時間23:30に国連環境計画(UNEP)が発表した内容である。
食品ロスの廃棄は、世界の温室効果ガスの排出源の8〜10%を占めている。ぜひ知ってほしい。
国連4日夜発表速報 年10億トン近く廃棄 食品ロスは温室効果ガス排出10%で気候変動の主要因(61)(2021年3月5日、井出留美)
「脱炭素で食品ロスに触れない無知」4日国連(UNEP)「食品ロスは温室効果ガス源の10%、削減急務」(2021年3月5日、井出留美)