FAまで1年のスラッガーは、延長契約ではなくFAとなって再契約!? 過去5年の192本塁打は最多
2019年のメジャーデビュー以来、ピート・アロンゾ(ニューヨーク・メッツ)は、パワーを発揮してきた。各シーズンのホームランは、2019年が53本、短縮シーズンの2020年が16本、2021年が37本、2022年が40本、2023年は46本だ。5シーズンの計192本塁打は、このスパンの最多。2番目に多いのは、177本塁打のマット・オルソン(現アトランタ・ブレーブス)なので、15本の差がある。
ちなみに、過去5シーズンに計170本塁打以上は、アロンゾとオルソンの他に2人だ。アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)とカイル・シュワーバー(現フィラデルフィア・フィリーズ)は、どちらも174本のホームランを打っている。彼らに次ぐ5位は、149本塁打の大谷翔平(現ロサンゼルス・ドジャース)だ。
このままいくと、今秋、アロンゾはFAになる。年齢は、12月で30歳だ。
オーナーのスティーブ・コーエンは、メッツの公式ポッドキャスト「ミート・アット・ジ・アップル」で、こう語っている。「ピート・アロンゾがFAになる前に、動きがあるとは期待していない。いつでも話し合う気はあるが、彼は(FA市場に出て)自身の価値を探ってみる権利を手にする。どの選手に対しても、そうなるのに協力は惜しまない」「彼を引き留めたいと思っている。現在、彼はチームの重要な一員であるし、将来もそうであってほしい」
アロンゾと代理人のスコット・ボラスが延長契約に応じることはないだろうが、FAとなった後に再契約を交わしたい、と言っているように聞こえる。あるいは、アロンゾが一塁しか守れず、名手でもないことからすると、FA市場に出てもそれほどの争奪戦にはならず、メッツが想定している金額(と年数)で再契約を交わすことができる、と考えているのかもしれない。
ポジションだけではない。アロンゾの四球率は、平均より少し上、といったところだ。どのシーズンも9.4%を下回ったことはないが、10.4%を上回ったこともない。打率が高くないため、出塁率.360以上のシーズンは皆無。2023年の四球率9.9%は、ナ・リーグで規定打席以上の72人中28位ながら、打率がワースト4位の打率.217と低く、出塁率は54位の.318にとどまった。