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KINGレブロンがNBA総得点新記録樹立!! しかし…

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
総得点を38,390としたKING(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 第3Q残り10.9秒、"KING"レブロン・ジェームズが14フィートのフェイダウェイジャンパーを決めた時、NBA総得点数記録が生まれた。38,388。カリーム・アブドゥル=ジャバーが持っていた38,387ポイントを超えたのだ。

 KINGは20シーズン目の途中で、バスケットボール史に更に自身の名を刻んだ。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 その後、試合はおよそ10分間中断され、KINGは妻、母親、3人の子供たちと抱き合い、NBAコミッショナーのアダム・シルバーから祝福を受ける。レイカーズベンチ近くのコートサイド席から試合を観戦していたジャバーも、このセレモニーに参加した。

 Crypto.comアリーナからは「MVP、MVP」の声が降り注ぎ、スクリーンにはジェームズの足跡が流れた。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 ジャバーが記念のボールを高々と掲げ、それをジェームズに手渡すという心憎い演出の折「ほとんど泣くことはない」と言っていたKINGが、目を潤ませた。そして言った。

 「レイカーズ・ファミリーに、ただただお礼を述べたい」

 また、この歴史的瞬間の場に居合わせたファンたちにも「あなたたちは特別な存在だ」と語りかけた。

 この日のゲームは、レイカーズのホームであるCrypto.comアリーナで行われたが、同会場のメインゲート前にはジャバ―の銅像が立っている。

 KINGはジャバ―へのリスペクトも忘れなかった。

 「カリームのような、偉大かつ伝説の方の前に立つことが出来るなんて、とても光栄です。どうか彼にスタンディングオベーションをお願いします」

撮影:筆者
撮影:筆者

 そのジャバ―はTNTのインタビューにこう応じた。 

 「私の記録が破られるチャンスはいくらでもあった。ただ、攻め続けられる男の出現が必要だったね。レブロンは20年、それを持続している。ゲームを支配出来、常にリーダーとして闘っている」

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 私自身、本コーナーで何度も記してきたが、KINGレブロンは今日のNBAにおいて唯一無二の男だ。ウォームアップ時から、一挙手一投足に視線が集まる。そして闘志も常に満タンだ。

 それだけに、チームメイトに恵まれていない現状が残念でならない。

https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20230206-00335353

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 金字塔を打ち立てたこの日のオクラホマシティ・サンダー戦でも38得点、7リバウンド、3アシスト、3スティールと奮闘しながらも、チームは130-133で敗れた。

 25勝30敗のロスアンジェルス・レイカーズは西地区15チーム中13位。このままではプレイオフにさえ進出出来ない。他のメンバーの奮起を期待したい。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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