約125年の歴史を持つ珈琲とメレンゲのお菓子「松乃露」は福井県の温泉街生まれの由緒あるヘルシー焼菓子
北陸新幹線が延伸し、今までとは異なるエリアも旅行の候補地にあがるようになったという方も多いのではないでしょうか。ニュースなどで取り上げられると、今まで知らなかった土地の魅力に気づかされることが多々あります。
国内旅行の王道のひとつといえば、温泉旅。少し気温が上昇すると、露天風呂も入りやすくなりませんか。
福井県あわら市、あわら湯のまち駅にはちょっと大人の贅沢を味わえるお宿から家族で楽しめる温泉が勢揃い。その温泉街で暖簾を掲げているのが、創業1899年「浅野耕月堂」さん。実は浅野耕月堂さんには、創業時からしてみれば非常に斬新で目新しい和菓子が今も尚販売されているのです。
今回は浅野耕月堂さんの「松乃露」をご紹介。
松乃露、というのは松露とよばれるきのこの一種を模したもので、和菓子の意匠でもたびたび見かけることがあります。あんこ玉にすり蜜を纏わせたお菓子でもありますね。こちらのきのこはトリュフなどと並んで珍味とされることもあるのだとか。
マッシュルームのような淡いベージュ色に振りかけられているのは、珈琲の粉末。東京の上野広小路駅付近で日本初の本格的な喫茶店「可否茶館」が誕生したのが1888年、その後10年前後の間にぽつぽつと誕生し、銀座のカフェパウリスタの一号店が誕生したのが1911年。
喫茶店よりも先に和菓子屋さんが珈琲をあわせたメレンゲ菓子を生み出すという…!かつて明治天皇陛下が近所の温泉に宿泊なさった際にも召し上がったことがある由緒あるお菓子です。
さくさくと軽やかなメレンゲが割れるたびに、非常に上品でまろやかな薫香がふんわりと口の中で華開いていきます。いかにも珈琲ではなく、あくまでお砂糖や卵白の甘味としっかり手を取り合い、口の中でユニゾンしていくような淡く儚い甘露。それでいて不思議と肩の力が抜けていきます。ひとつ食べたらとまらない味ですね。しゅわり、しゅわりと咀嚼するたびに溶けていく音も心地よく耳の奥を震わせるのもまた一興。
珈琲を使用していると申しましても苦味が強調されているわけではないので、大人から子供までお楽しみいただける味わいかと思います。
ユニークな和菓子をぜひ、お土産候補にいれてみてはいかがでしょうか。
ちなみに…16個入りなのですが、全て食べきっても約88kcalという低カロリーさも魅力です。
最後までご覧いただきありがとうございました。
<浅野耕月堂>
公式サイト(外部リンク)
福井県あわら市温泉4-916
0776-77-2035
8時~20時
定休日 火曜