オートバイのあれこれ『気軽さと懐古の融合?ゼファー750』
全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。
今朝は『気軽さと懐古の融合?ゼファー750』をテーマにお話ししようと思います。
「平成カワサキ」の代表作ともいえる『ゼファー』シリーズ。
現在もとくに絶版バイクファンの間では人気の高いオートバイですね。
ゼファーシリーズは、元祖である400ccのゼファー、750ccのゼファー、そして1100ccのゼファーの3つで構成されています。
今回は、そんなゼファーシリーズの間のモデルとなる『ゼファー750』をピックアップしましょう。
ゼファー750は、元祖ゼファーが出た翌年の90年にデビューしました。
400ccのゼファーは、その開発コンセプトが「アンチ・レーサーレプリカ思想」に基づく(いくらか懐古趣味的な)雰囲気・フィーリング重視でしたが、ゼファー750はそれとはやや異なるところを目指して開発が行われました。
結論を先に言うと、ゼファー750の開発で大切にされたのは「懐古趣味」というより「軽快さ」と「気軽さ」。
750ccの大型バイクでありつつ、気負わず乗れるカジュアルさが追求されたということです。
そのテーマがよく映し出されているのが、エンジン。
ゼファー750には、「ザッパー」ことZ650(1976年登場)由来のコンパクトエンジンが搭載されていました。
Z650のエンジンはZ2(750RS)系のナナハンエンジンより約20kgも軽く作られており、「軽快さ」を求めるゼファー750にピッタリなベース素材だったのです。
もしゼファー750が「Z2へのノスタルジー」というような方向性(=懐古趣味)で開発されていたなら、そのエンジンはZ2由来のものが用いられていたことでしょう。
ザッパー系エンジンを使うところに、カワサキの“カジュアルさを追う姿勢”を読み取れるのではないでしょうか。
一方、スタイリングデザインに関しては400ccのゼファーよりも往年のZ的だったといえます。
750と400を見比べると分かると思いますが、750は400よりも曲線が多用されたシルエットとなっていました。
ゼファーシリーズの中でZ1(Z2)の流麗なボディラインを最も強く受け継いでいたのは、このゼファー750だったといえるでしょう。
今後近いうちに、400のゼファーと1100のゼファーも紹介させていただきますね。