「プロセス主義」は、もはや現代病である
「結果も大事だが、プロセスはもっと大事だ」
経営コンサルタントという仕事をやっていると、こう言う人に出くわします。というか、私もよく口にします。
「うまく行きませんでした」
「今度はちゃんとやります」
と言われるたびに、
「結果はともかく、プロセスはどうなってましたか? プロセスが正しかったか振り返ってみましょう」
と語りかけます。多くの場合、何か事が済んでから、結果がどうのこうのと言う人はプロセスを疎かにしています。意思決定プロセス、行動プロセス、仮説検証プロセス……。プロセスに分解して振り返ることで、同じ過ちを繰り返さないようになる可能性が高まりますし、たまたまうまくいったことの再現性を担保してくれます。
このように、猪突猛進型結果主義の人には、「プロセスがもっと大事だ」と言い聞かせることで効果があります。いっぽう高度情報化時代となり、机上の空論型プロセス至上主義の人が増えているのも事実。プロセスばかりに意識が向き、結果にフォーカスしていない人のことです。極端に書くと、
「結果が出ないのはプロセスの問題であって、私の問題ではありません」
と、大胆不敵&厚顔無恥的に公言する人です。プロセスにしか焦点を合わせていないので、結果が出ないと高度な言い訳を繰り出してきます。
「だってしょうがないじゃないですか、あのプロセス通りにやった結果、こうなったわけで」
という感じです。現場に入り、目標を絶対達成させるコンサルタントの私からすると、安定的に結果を出せるようになってからでないと正しいプロセスはできあがらないことを、頭に叩き込んでおいてもらいたいと思います。資格試験が一番いい例です。何度も同じ試験を受け、何度やっても受かるようになってから、自分なりの正しい試験勉強プロセスが理解できるのです。他人は他人。自分は自分。他人のプロセスは参考にできますが、その通りにやれば必ず期待した結果が手に入るかというと、そうではありません。
プロセスは大事です。しかし自分自身で試行錯誤を繰り返さない限り結果は出ないため、結果が出るまでがむしゃらに実践し、仮に設定したプロセスを常にメンテナンスする姿勢が必要ですよね。