節分の窒息・誤えん 豆だけでなく恵方巻にも注意を
節分に豆まきをするご家庭も多いでしょう。小さな子どもがいる場合、窒息・誤えんしないよう、注意が必要です。また、実は恵方巻にも注意が必要です。これらのリスクと応急処置について解説します。
豆まきの窒息・誤えん
小さな子どもは、口にモノを入れたまま、走ったり、笑ったり、泣いたりすると、意図せずそれらを吸い込んでしまい、窒息・誤えんするリスクがあります。
豆のような小さな異物の場合、空気の通りである気管に入り込んでしまうことがあります。すぐに咳が出て、豆が押し出されればよいのですが、奥のほうに入ると、咳だけでは取れないことがあります。
子どもが異物を飲み込んだとき、以下のような症状がないか注意してください(表1)。窒息・誤えんの事故に気づいたら、落ち着いて救急車を呼び(119番)、救急車が到着するまでの間は下記の応急処置を続けてください。救急車がつながらないときは、「子ども医療電話相談(#8000)」、「救急安心センター(#7119)」を検討ください。
新型コロナによる医療逼迫の影響で救急隊が到着するまで時間がかかるかもしれないので、「〇歳男の子です、異物を飲み込んで窒息しました」と必要な情報を手短に伝えるとよいでしょう。
子どもが窒息したときの応急処置
異物の誤えんに対する応急処置を確認しておきましょう。消費者庁から分かりやすい動画が公開されているので、ご覧ください。具体的な応急処置は、3分40秒あたりから始まります。
動画. 消費者庁:【消費者安全調査委員会】窒息事故から子どもを守る!
1歳未満の乳児と、1歳以上の幼児への応急処置の図は以下を参照ください。
(2023年10月18日:他記事との整合性のため図を一部変更)
恵方巻にも注意を
節分には恵方巻を食べる習慣があります。海苔は、子どもにとってかみ切りにくい食材の1つです。
また、恵方巻は大きな太巻きになっていることが多く、子どもだけでなく、高齢者の誤えん・窒息にも注意が必要です。
その昔、恵方巻にかぶりついて、歯が取れてしまい、飲み込んだときに歯が気管に入ってしまった患者さんを診たことがあります。
高齢者は豆の誤えんよりも、食事のとき脱落した歯を誤えんすることが多いので、かたい恵方巻を食べる際は注意が必要です。
まとめ
節分は、子どもや高齢者にとって、誤えんや窒息のリスクが高い場面があります。特に小さな子どもは、豆まき後の豆を拾って口に入れることが多いため、豆を触らないように親が注意する必要があります。
表2のような点に注意してください。
(参考資料)
(1) 政府広報オンライン. 「えっ?そんな小さいもので?」子供の窒息事故を防ぐ!(URL:https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201809/2.html)