「RENAの次は僕が背負う」イケメンファイターの強気
老舗団体次世代エースの座を狙う若者たち
4月16日の総合格闘技イベント『RIZIN(ライジン)』で活躍し、地上波放送ではメインイベントとして扱われる(大会では全11試合中8試合目に出場)など、今や格闘技界の顔となったRENA(25)。
ホームリングであるシュートボクシング(以下SB)でも、昨年は男子の世界トーナメント『S-cup(エスカップ)』が開催された大会でメインイベンターの重責を担い、絶対的エースの座を譲らない。
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創立30年を超える老舗団体が迎えた、いわば“女高男低”時代。そんな状況に待ったをかけるべく、今、若い男子選手たちが続々と次期エースの座に名乗りをあげている。
その一人が、SB日本ライト級1位の海人(かいと・19)だ。
「今はRENA選手が活躍してSBを引っ張ってくれていますが、男の僕がここから先のSBを背負っていくつもりなので、RENA選手に負けないくらい結果を残して有名になりたいと思います」
イケメンファイターの骨太な生き方
2014年、16歳でプロデビューして以来、「海人」の名前は必ずといってよいほど「イケメン」「端正なルックス」といった枕詞とセットで語られてきた。
だが、多彩なパンチや蹴り技、またそれらを瞬時に使い分ける判断力は高く、“ビジュアル押し”だけの選手でないことは21戦17勝(5KO)3敗1無効試合の戦績が証明している。
生き方や言動も骨太だ。
9歳でグローブ空手を始め、アマチュアで100戦以上を戦ってきた。高校入学が決まっていたが、「格闘技をやりたい、プロになりたい」の一念から進学はせず、父をトレーナーに、兄を練習相手に貸しガレージで練習漬けの日々を送る。
「自分が入門した時に一緒に格闘技を始めてくれて、自分のために技や動きを研究してくれているお父さんを尊敬している。世界で一番になって、いつかお父さんに認めてもらいたい」
「無謀な挑戦」にも一歩も引かず
4月8日のSB後楽園ホール大会では、国内のトップファイターを撃破してきたオランダの強豪中の強豪、ザカリア・ゾウガリー(22)と対戦した。
戦前は「無謀な挑戦」との声が大半を占めたが、本人は「ザカリア選手を倒せば、自分の名前が確実に上がる。パンチ力は負けていると思うが、(その他は)どの局面、どの技でも僕のほうが勝っている自信がある」と強気を貫いた。
試合は予想を裏切る接戦に。判定0-2で敗れたが、対戦相手のザカリアは「海人はハングリーな選手だった」。また、あえて厳しい対戦を海人に課したSBのシーザー武志会長(61)も「あそこまでやるとは思わなかった。最終5ラウンドも前に出続け、ザカリアに心負けしていなかった。あの気持ちが大事。次世代を引っ張っていく選手になる」と評価した。
試合後、シーザー会長の評価を伝え聞いた海人は、表情を変えずに言った。
「そう言ってもらえるのは嬉しい。でも、自分はそれ以上にできると思っています」
この海人の他にも、現SB日本スーパーバンタム級王者・内藤大樹(21)を筆頭に、同スーパーフェザー級2位・村田聖明(21)、同フェザー級2位の兄・弘希(17)&-55Kg新人王の弟・友希(16)の笠原兄弟、同スーパーバンタム級6位で他団体のベルトも狙う滉大(19)、北の新星・亜月(18)など、SBでは新世代が徐々に力をつけている。
男子ファイターによる“スター誕生”のドラマも、そう遠くないうちに目撃することができそうだ。
〈海人の試合視聴情報〉
◆チバテレビ『ART OF FIGHT SHOOT BOXING』
4月26日(水)より毎月第4水曜日20:00~20:55にシュートボクシングのレギュラー番組がスタート。第1回は4月8日(土)東京・後楽園ホール大会の模様をOA。ゲスト解説:RENA
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