国内ジョシカク最軽量級!女子キックで43kg以下の“ペーパー級”がスタート
ニュージャパンキックボクシング連盟(NJKF)が2015年よりスタートさせた女子キックボクシング『ミネルヴァ』で最軽量級の「ペーパー級(43.09kg)」が新設され、7月20日(土)、栃木・ライトキューブ宇都宮で開催されるキックイベント『BURST(バースト)』で新階級の初戦が行われることになった。
NJKFミネルヴァでは、これまでピン級(45.36kg)、アトム級(46.26kg)、ライトフライ級(48.99kg)、スーパーフライ級(52.16kg)、スーパーバンタム級(55.34kg)の計5階級が設けられ、各階級で王者を輩出してきた。だが、選手層に厚みが増すにつれ、最軽量のピン級に体重が足りていない選手も増加し、減量なしで試合に臨む、あるいは43kgや44kgの契約体重で試合をする選手もいる。
たとえば、昨年3月に開催された女子だけのキックボクシング興行『GODDESS OF VICTORY』では本戦12試合中、ピン級1試合のほかに40kg契約と44kg契約が各1試合、また今年4月の『GODDESS OF VICTORY Ⅱ』では本戦14試合中、ピン級が2試合、43kg契約と44kg契約が各1試合実施されている。
こうした現状や選手・関係者の要望などを踏まえ、NJKFでは今春、最軽量のピン級より2.3kg軽く、国内女子格闘技界最軽量となる43.09kg以下の新階級を創設。ムエタイの階級名にならい「ペーパー級」と命名し、すでに1位から7位までのランキングを発表している。
記念すべきペーパー級初戦の赤コーナーに抜擢されたのが、現ミネルヴァ ピン級王者で、ペーパー級1位の撫子(なでしこ/GRABS KICK BOXING STUDIO/23)。元キック8冠王・TOMONORI会長の薫陶を受け、昨年3月にはライバル藤原乃愛(尚武会フジワラムエタイジム)を“3度目の正直”で下しピン級王者なるなど、その実力は折り紙付きだ。昨年11月、地元・北海道での初防衛後には新階級の開設をアピールしており、ペーパー級への思い入れは誰よりも強い。
対するUver∞miyU(ウーバーみゆ/T-KIX GYM/24)は、今年に入り「キック1本に人生を懸ける」と看護師の職を辞し、精力的にリングに上がる情熱系ファイター。ペーパー級では5位につけているが、「チャンピオンと戦えるチャンスはあまりないので、勝ちに行きたい」と大番狂わせを虎視眈々と狙う。この一戦に向けて両者揃って「パワーとフィジカル」を強化ポイントにあげており、最軽量ながらKO決着の可能性もある。
43kgという体重を考えると、今後10代の参戦も増えてくるかもしれない。減量を含めた安全面への配慮も注視しつつ、成人男子にはない43kg級の展開を見守っていきたい。