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【大晦日RIZIN】“神童”那須川天心の弟・龍心がMMAデビュー戦で逆転TKO勝利「怖かった…でも」

藤村幸代フリーライター
2ラウンドに逆転のレフェリーストップ勝ちをあげた那須川龍心(c)RIZIN FF

プロボクサーの“神童”那須川天心を兄に持つキックボクサー、那須川龍心(17)が12月31日(日)、さいたまスーパーアリーナで開催された総合格闘技(MMA)イベント『RIZIN.45』に出場。MMAプロデビュー戦に臨み、シン・ジョンミン(韓国=17)に2ラウンド鮮烈の逆転TKO勝利をあげた。

幼少期からキックに打ち込んできた龍心は、2022年4月のプロデビュー以来、兄と同じくRISE(ライズ)を主戦場に8戦6勝2敗と好成績を残してきた。9戦めとなった12月16日のRISE両国国技館大会で龍太郎を2ラウンドTKOで下すと、大晦日RIZINへの参戦をマイクアピール。今回のRIZIN初参戦、しかもMMAデビュー戦のチャンスをつかんだ。

兄の天心は2016年、18歳てRIZINに初参戦すると、MMA初挑戦ながら12月29日と31日の2日間で2試合を戦いいずれも完勝。「神童」を体現してみせ、一気にスターダムへと駆け上がった。「兄以上のインパクトを」との決意で憧れの舞台、RIZINに登場した龍心。対戦相手のシン・ジョンミンも龍心と同じくこれがMMAデビュー戦だが、キックではアマチュアを含む6勝全てKO勝利と強打を武器としている。

試合は開始早々、龍心が不用意に相手を押し込んだところ、逆に下から右腕を十字で捉えられ、執拗に一本を狙われる苦しい展開に。何とか脱出に成功したが、相手のダブルレッグでテイクダウンを奪われ下で耐えたまま1ラウンドが終了。

2ラウンドにパウンドでレフェリーストップを呼び込んだ
2ラウンドにパウンドでレフェリーストップを呼び込んだ

仕切り直して臨んだ2ラウンド、龍心は相手がローを掴みに来たところを見逃さず、頭部への膝蹴りから、亀の状態の相手にパンチを打ち込む。仰向けになった相手の足を掴むと追い打ちのパウンドを畳み掛け、レフェリーストップにより2ラウンドTKO勝利を収めた。

前試合のキック戦からわずか2週間での連戦、しかもMMA挑戦にはネガティブな反応も少なくなかったが、批判の声を勝利で跳ね返した形の龍心は試合後、涙を浮かべながらマイクを取り、超短期間の特訓で臨んだMMA戦に「 怖かった」と心情を吐露。だがMMAをこれからも続けていくと、継続挑戦を宣言した。

要所で鋭いハイキックを決めるなどMMAプロデビュー戦ながら落ち着いた試合運びで勝利を収めた平本丈(左)
要所で鋭いハイキックを決めるなどMMAプロデビュー戦ながら落ち着いた試合運びで勝利を収めた平本丈(左)

また、この一戦に先立ち第1試合てMMAプロデビュー戦に臨んだ平本蓮の弟・平本丈(20)は、RIZIN3連勝中の“ 元ホスト格闘家”USHI(35)と対戦。スタンドでは適時のハイキックがヒット、グラウンドでも終始優位なポジションをキープし、判定3-0で勝利を納めた。

フリーライター

神奈川ニュース映画協会、サムライTV、映像制作会社でディレクターを務め、2002年よりフリーライターに。格闘技、スポーツ、フィットネス、生き方などを取材・執筆。【著書】『ママダス!闘う娘と語る母』(情報センター出版局)、【構成】『私は居場所を見つけたい~ファイティングウーマン ライカの挑戦~』(新潮社)『負けないで!』(創出版)『走れ!助産師ボクサー』(NTT出版)『Smile!田中理恵自伝』『光と影 誰も知らない本当の武尊』『下剋上トレーナー』(以上、ベースボール・マガジン社)『へやトレ』(主婦の友社)他。横須賀市出身、三浦市在住。

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