アップル純利益2.1倍「iPhone」66%増収、FBは94%増益、ネット広告好調で48%増収
筆者が注目した海外発最新テクノロジーニュース3本をダイジェストで
[1]アップル純利益2.1倍 「iPhone」66%増「Mac」70%増と大幅増
米アップルは4月28日、2021年1〜3月期の決算を発表した。売上高は前年同期比54%増の895億8400万ドル(約9兆7300億円)、純利益は同2.1倍の236億3000万ドル(約2兆5700億円)だった。
主力のスマートフォン「iPhone」の売上高は同66%増の479億3800万ドル(約5兆2100億円)。20年秋に発売した高速通信規格「5G」対応「iPhone 12」シリーズがけん引した。
アプリや音楽、動画配信などサービスの売上高は同27%増の169億100万ドルとなり、四半期として過去最高を更新した。ティム・クックCEO(最高経営責任者)は米CNBCとのインタビューで、サブスクリプション(定額課金)の加入者数が6億6000万人となり、前四半期から4000万人増えたと述べた。
一部モデルで独自開発プロセッサー「M1」の採用を始めたパソコン「Mac」は同70%増の91億200万ドルと、大幅に伸びた。「iPad」の売上高は同79%増の78億700万ドル。在宅の広がりでタブレット端末も好調だった。
また、Apple WatchやAirPodsなどの「ウエアラブル、ホームおよびアクセサリー」は同25%増の78億3600万ドルとなった。
前四半期に続きすべての製品部門で2桁の増収を達成。世界の全地域で2桁増収となった。
[2]フェイスブック94%増益、ネット広告好調で48%増収
米フェイスブック(FB)は4月28日、2021年1〜3月期の決算を発表した。売上高は前年同期比48%増の261億7100万ドル(約2兆8400億円)、純利益は同94%増の94億9700万ドル(約1兆300億円)だった。
売上高全体の97%を占める広告収入は同46%増の254億3900万ドル。単価が30%上昇し、表示回数が12%増加した。年内は主に単価上昇による効果で増収が続くとみている。
3月末時点の月間利用者は28億5300万人で、3カ月前から5600万人増えた。写真共有アプリ「Instagram」や対話アプリ「WhatsApp」などのサービスを含むグループ全体の月間利用者数は同1億5000万人増の34億5000万人になった。
マーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)は声明で「引き続き、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)、電子商取引、クリエーター経済などの分野で積極的に投資する」と述べた。
一方、デビッド・ウェーナーCFO(最高財務責任者)は「規制強化やプラットフォームの変更により、ターゲティング広告に対する逆風が増す」と述べた。米アップルが4月26日に配信を始めた「iOS 14.5」の影響が4~6月期から出始めるとしている。
4~6月期の増収率は1~3月期と同様の高水準、あるいは若干加速すると見込む。1年前に新型コロナの影響で伸びが減速した反動が出るという。
[3]アマゾンが米従業員50万人の時給引き上げ、費用10億ドル
米アマゾン・ドット・コムは4月28日、米国の従業員50万人以上の時給を最大で3ドル(約330円)引き上げると明らかにした。発送・仕分センターや宅配ステーションなどで働く従業員を対象に2021年5月中旬〜6月上旬に実施する。
毎年秋に実施している賃金改定を前倒しする。賃上げ幅は50セント〜3ドル。これに伴い10億ドル(約1100億円)超の費用を見込む。
アマゾンの世界従業員数は約130万人(期間従業員を除く)。ワールドワイド・コンシューマー事業のデーブ・クラークCEOは21年1月、同社は米国で80万人以上の従業員を抱える、米ウォルマートに次ぐ米国第2位の雇用主だと明らかにした。
米ニューヨーク・タイムズによるとアマゾンは18年に米国時間給労働者の最低時給を15ドル(約1630円)に引き上げた。20年はコロナ禍の中、物流施設や店舗などの現場で働く従業員にインセンティブや臨時ボーナスを支給し、総額25億ドル(約2700億円)を支出した。
また、20年はEC(電子商取引)需要が急増し、米国で40万人を新規採用した。ダーシー・ヘンリー人事担当副社長によると、同社は今も数万人を募集中。今回の賃上げで採用を加速させる狙いだ。