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政治資金問題は全く解決されていない#専門家のまとめ

鈴木崇弘政策研究アーティスト、PHP総研特任フェロー
政治とカネの根本的な問題の改善が必要だ(写真:アフロ)

 自民党の裏金問題からはじまった政治資金規正の問題は、その改正法が6月に自民・公明両党などの賛成多数で成立したことにより、政治、特に自民党は、この問題はすでに解決されたかのような対応をしているように見える。だが、この問題は、政治とカネの関係や政治の根本問題にもかかわることであるのに、与野党を含め政治(国会)全体で議論が尽くされ、改善されたかというと、その後の政治の側の動きや事例をみると、そうは考えられない状況にある。

ココがポイント

▼この事案は、これまでにもよく起きており、政治とカネの関係が根本から変わっていないことを示している

広瀬めぐみ議員、人目につくよう送迎や事務作業させ秘書勤務に見せかけ指示か…給与詐取事件(読売新聞オンライン)

▼この事案は、選挙が予想されるなか事情があるのだろうが、政治資金に対して厳しい社会状況のタイミングのなかで、政治資金規正法の担当大臣が政治資金パーティーを開催していたことを示している

《岸田首相も自粛中》大臣規範をスルーする“パーティー名人”松本剛明総務大臣が政治資金パーティーを決行していた!《直撃に大臣は…》(文春オンライン)

▼自民党派閥における裏金や政治とカネの問題を受けた改正政治資金規正法が6月19日、自民・公明両党などの賛成多数で可決・成立した

改正政治資金規正法が成立 議員の罰則を強化(日本経済新聞)

▼裏金問題などの政治資金の問題は、日本の政治が従来の問題を改善して新しい可能性にしていくための好機にできる

底なし気味の政治への提言:政治改革特別委員会の設置を活かして、危機的状況を政治制度を進化させる好機に(Yahoo!ニュース)

エキスパートの補足・見解

 政治における問題・課題そして危機は、政治および政治家(議員)に大きな負担を強いる。だが、民主主義などの政治制度は完璧なものでなく、絶えざる更新が必要だ。その意味で、そのような厳しい状況を活かして、政治や政治制度等をバージョンアップしていくべきだ。日本の政治や政治家は、この政治の根本にかかわる問題を避けることなく、真正面から向かい対応し、日本の政治やその制度を改善していく好機にすべきだ。今、日本の政治の真価が問われている。

政策研究アーティスト、PHP総研特任フェロー

東京大学法学部卒。マラヤ大学、米国EWC奨学生として同センター・ハワイ大学大学院等留学。日本財団等を経て東京財団設立参画し同研究事業部長、大阪大学特任教授・阪大FRC副機構長、自民党系「シンクタンク2005・日本」設立参画し同理事・事務局長、米アーバン・インスティテュート兼任研究員、中央大学客員教授、国会事故調情報統括、厚生労働省総合政策参与、城西国際大学大学院研究科長・教授、沖縄科学技術大学院大学(OIST)客員研究員等を経て現職。新医療領域実装研究会理事等兼任。大阪駅北地区国際コンセプトコンペ優秀賞受賞。著書やメディア出演多数。最新著は『沖縄科学技術大学院大学は東大を超えたのか』

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