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いまだからこそ、国家運営の最重要課題の一つである財政問題について考えよう! #専門家のまとめ

鈴木崇弘政策研究アーティスト、PHP総研特任フェロー
今こそ、日本国の財政について考える必要がある。(写真:イメージマート)

過日、閣議は過去最大の115兆円超の予算案を決定した。来夏における参院選を前に歳出圧力は高まってきており、財政健全化の姿勢はかすんでいる。しかしながら、日本の財政構造は、この30年ぐらいで急速に悪化してきている。その状況は、国際的にみても、また日本の現在の現在状況をみても、異常な状態であるにも関わらず、税収以外の国債などに安易に依存してきている。その現状を今一度理解し、次年度の予算および今後の日本の財政そして国家運営について考える必要がある。そのための情報を、本記事で提供したい。

ココがポイント

115兆5000億円となる来年度予算案(中略)過去最大で、財源の4分の1を国債に頼る厳しい財政状況が続く見通し
出典:NHK 2024/12/27(金)

国の予算の肥大化と借金づけの実態はそのままだ(中略)優先度を踏まえた歳出・歳入の改革を急ぐ必要がある。
出典:朝日新聞デジタル 2024/12/28(土)

日本財政は既に極めて厳しいことから、小さなきっかけで市場のセンチメントが大きく変わりかねないことは意識しておきたい
出典:マネクリ マネックス証券の投資情報とお金に役立つメディア 2018/4/13(金)

欧州委員会は(中略)教訓を生かし、柔軟な財政出動や(中略)重点分野への集中投資ができるよう内容を見直す
出典:日本経済新聞社 2021/10/20(水)

エキスパートの補足・見解

日本は、バブル経済の崩壊もあり、経済が不安定化し、国民の生活の不安定化や不安などを抑えるため等のために、90年代以降毎年多額の国債等を発行してきた。またその期間に、多くの大震災や災害が起きると共に、政治の大きな変化や不安定などもあり、それらの問題や課題の拡大等を抑え、国民の不満や不安をある意味抑制しある意味誤魔化すために、他の多種多様な方策や工夫を必ずしもせずに、安易に国債発行などに基づく財政出動に流れてきた面がある。その結果が、国際的に見ても非常に深刻な状況にある現在の日本の財政状況を生んできているといえる。もちろん危機的状況および社会・世界や時代の変化による新たなる状況に対応が迫られることもあるだろう。狭隘な財政規律や浅薄な財政再建の方向に向かうべきでもないが、他方で安直な財政出動や国債などの借金等への依存も回避すべきだろう。

 上記のようなことからも、また日本の現在のような緊張感ある政治状況であるからこそ、国・国民全体および国会で、日本をどのような国にしていくかを考えながら、その財政のあり方等について、真摯かつ真剣に議論し、結論を出していくべきだろう。

政策研究アーティスト、PHP総研特任フェロー

東京大学法学部卒。マラヤ大学、米国EWC奨学生として同センター・ハワイ大学大学院等留学。日本財団等を経て東京財団設立参画し同研究事業部長、大阪大学特任教授・阪大FRC副機構長、自民党系「シンクタンク2005・日本」設立参画し同理事・事務局長、米アーバン・インスティテュート兼任研究員、中央大学客員教授、国会事故調情報統括、厚生労働省総合政策参与、城西国際大学大学院研究科長・教授、沖縄科学技術大学院大学(OIST)客員研究員等を経て現職。新医療領域実装研究会理事等兼任。大阪駅北地区国際コンセプトコンペ優秀賞受賞。著書やメディア出演多数。最新著は『沖縄科学技術大学院大学は東大を超えたのか』

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