子育て17年、4人の子どもが料理をしてくれるキッチン収納の工夫と興味の引き出し方
子育てを始めて17年。子どもは小中高生の4人、ここ数年長女(高2)や長男(中3)がよく料理を手伝ってくれます。
最近では、自分が食べたいものを自分で作ることもあり、私が夕飯で使おうと思っていた食材が使われてしまうというショックなこともたまにありますが、
料理ができるということは、この先自立し一人で生活をしていく上でとても大切なことなので、積極的にさせるようにしています。
そこで今日は、私が子どもが料理に取り組むために意識した2つのことを紹介します。
その1.「食」に興味を持ったチャンスを逃さない!
私は、子どもが興味を持った時にとりあえずチャレンジさせてきました。
小さな子どもにとっては、料理は手で食材の感触を確かめながら何かを作り上げる泥遊びのようであり、
野菜や肉、魚などの食材が、買ってきた状態から工程を経て何かの料理になるのは想像力を超えるおもしろい遊びです。
ただ、小さい子どもに料理に参加してもらうと
事前の準備が必要。
散らかる。
後片づけが大変になる。
兄弟ケンカが発生する。
絶対に大人がした方が早い。
ケガをすることもある。
仕上がりが心配。
ドッと疲れる。
イライラする。
という様々な問題があるので、心に余裕がある時だけ参加してもらいました。誕生日やイベントの料理に関わってもらうと喜んで参加してくれます。
また初めから料理から後片付けまでを子どもにしてもらおうと完璧を求めるとうまくいかないので、はじめは少し参加してもらい、運が良ければ片づけもしてもらえるくらいに考えていたほうがよいでしょう。
子どもが小さい頃に料理をさせなかったら、もうチャンスがないわけではありません。
小・中学生のようにある程度大きくなっていても、おいしそうな料理をテレビで見た時、ふと食べたいものが浮かんだ時、どこかで食べたおいしいものを家で食べたくなった時などがチャンス。
小中学生になると自分で動画を観たりすることのできるので、自分でレシピや料理動画を検索し料理に興味を持つこともあります。
チャンスはたくさんあるので「一緒に作ってみる?」「手伝ってあげるよ」など声をかけ、食べる喜びだけではなく作る喜びも一緒に感じてみましょう。
その2.キッチンはどこに何があるかわかるように
せっかく子どもが料理に興味を持ったのに「鍋はどこ?」「塩こしょうはどれ?」「お皿は?」とたくさん質問されると、自分でやった方が早い!とイライラするし、
鍋が取り出しにくかったり、調理道具に手が届かなかったり、手間がかかりすぎると、子どももめんどうくさいとあきらめてしまいます。
子どもが料理に取り組みやすいキッチンとは、モノが厳選され、誰でも出し入れしやすい場所にしまわれていること。
主にキッチンに立つ人だけが使いやすいのではなく、家族のだれもが使いやすいようにしておくのです。
例えば、スプーンやお箸などは、あえて家族の数だけにすることで、数える必要がなくサッと食事の準備ができるようになります。(来客用や予備は別場所にしまいます)
頻度の高い食器は、子どもの手の届く場所に。
お玉など頻度の高い調理道具だけをしまわずに、手に届くコンロ周りに。
鍋も迷わずにサッと取り出せるように。
料理中に出たゴミもすぐに捨てることができるようゴミ箱は近くに設置。
実は、子どもにとって使いやすいキッチンは、大人にとっても使いやすいキッチンです。
モノを厳選し、頻度の高いモノだけをすぐ出し入れできる場所へ配置し、キッチンを整えることが家族みんなが料理しやすいキッチンにつながるのです。
子どもに料理をさせるのは、未来への投資
料理だけにとどまらず、家のあらゆる家事は、これまでやり慣れている大人がやった方が楽、速い、仕上がりがよいのは、わかりきったことです。
それでも私が、子どもに料理をしてもらいたいのは、いつか自立した時、家庭を持った時に女も男も関係なくキッチンに立ち、自分の食べたいものを自分で作って食べる楽しさを味わい、その楽しさを大切な人たちと共有してほしいと思っているからです。
子どもに料理をさせるのは、ハードルが高いと感じるのであれば、料理のすべての工程関わらせる必要はありません。
卵を割る、混ぜる、こねる、ちぎるなど大人にとって簡単なことでも、子どもにとっては多くのことを学ぶチャンスになります。
料理に関わることで、普段大人が作ってくれる料理に感謝したり、嫌いな食べ物を克服できたり、料理をしている間はもちろんのこと、そのための買い物をする時に親子の会話も増えます。
食材を触った感覚、ジュージュー焼ける食欲をそそる音、香ばしかったり甘い匂いは、五感を刺激するので、ただ料理を作るのではなく、「やわらかいね」「おいしそうな音がするね」「おいしい匂いに変わったね」と一緒に感じてみましょう。
子どもに料理をさせるのは本当に手間がかかります。
しかし生きていくうえで必要な家事スキルの習得だけではなく、多くのメリットがあるので私は、子どもの将来への投資につながる遊びのようなものだと思っています。
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選ぶ暮らしラボ 藤原友子(ふじわらゆうこ)
1975年生まれ 大分県在住 結婚後片づけを始める。長男との片づけバトルでモノを「選ぶ」ことの重要性に気づき、モノや暮らしを「自分軸で選べる人」を増やすために活動中。
二男二女の母で「いつもキレイではないが、すぐに片づく家」で暮らしている。著書『片づけられない主婦と片づけ嫌いの子どもを180度変える本』