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imase 新ポップスターがライヴ番組で「NIGHT DANCER」、星野源「不思議」他をセッション

田中久勝音楽&エンタメアナリスト
写真提供/BS-TBS

imaseが十川ともじ、島田昌典、冨田恵一が手がけたこの日限りのアレンジで、オリジナル曲と星野源「不思議」をスーパーバンドとセッション

日本の音楽シーンを牽引するアーティストを、数多く手がけるアレンジャーが一夜限りのアレンジを作り上げ、一流ミュージシャンとアーティストがセッションする、生演奏にこだわるライヴ番組『Sound Inn S』(BS-TBS)。この番組に出演するのが夢だったと語るアーティストも多い。セッションを通じてオリジナル曲、カバー曲の魅力を再発見でき、また自身の新たな引き出しを見つけるきっかけになったと語るアーティストもいる。

そんな『Sound Inn S』の5月18日(土)放送回には、シンガー・ソングライターimaseが登場。音楽活動開始わずか1年で、TikTokで楽曲をバイラルヒットさせ、2021年12月にメジャーデビューすると国内外で一躍注目を集める存在となった。そんな超新星がオリジナルとカバーを十川ともじ、島田昌典、冨田恵一が手がけたこの日限りのアレンジで披露する。今なぜimaseが注目を集めるのか、それを紐解くことができるセッションになった。

一曲目はimaseが世界的にブレイクするきっかけになった「NIGHT DANCER」を、十川ともじのアレンジで披露した。この曲は名だたる韓国アーティストたちがダンス動画をアップしたことで知名度を上げ、BTSのジョングクが自身のSNSでこの曲を好きだと公言しライブ配信で「頭から離れない」とコメント。大きな反響を呼び、拡散され現在までにTikTokでの全世界再生回数が80億回を突破するという、驚異的な数字を記録している。

「メロディは歌謡曲だけどサウンドが洋楽的なところが面白いと思う」(imase)

「『NIGHT DANCER』のメロディは、昔の曲へのリスペクトをそこはかとなく感じる」(十川)

この日は「華やかさあふれる楽曲になった」とimaseが語っているように、十川が美しいストリングスが人懐っこいメロディをより引き立てるアレンジに仕上げた。imaseはこの曲について「メロディは歌謡曲だけどサウンドが洋楽的なところは面白いのだと思う。サウンドがシンプルで音数が少ないのでメロディがより立っていると思う」と自ら分析している。十川も「コードが循環するタイプで、中毒性があり、メロディは昔の曲へのリスペクトをそこはかとなく感じる」と語り、imaseのルーツになっている日本の歌謡曲やポップスのメロディが曲の中に息づいていることと、その楽曲が多くの人を夢中にする秘密を教えてくれる。

「小さい頃車の中で、親がいつも松田聖子さんやユーミンさんの曲を流していました」と、幼い頃からグッドメロディを耳にし、「NIGHT DANCER」も「ドライブをしている時にメロディができた」と教えてくれた。さらに多感な時期には、GReeeeNや湘南乃風、米津玄師、SEKAI NO OWARIなど、その時J-POPシーンで大ヒットしていた曲を好んで聴き、洋楽もEDM、ブルーノ・マーズやジェレミー・ザッカー、K-POPなどを聴いてきたという。そんな音楽が抜群のバランスでブレンドされ、「NIGHT DANCER」を始めとして、生まれてくるその楽曲に貫かれているのはまさに冒頭のimaseの言葉、「メロディは歌謡曲だけどサウンドが洋楽的なところが面白いと思う」という感覚なのかもしれない。

島田昌典
島田昌典

2曲目は「Happy Order?」を島田昌典のアレンジで歌った。デビュー以来ポカリスエットCMソング『Pale Rain』やJT『でもね、たまには』など、大型タイアップソングのオファーが絶えないimase。この曲もマクドナルドとのコラボソングで「バイト、仕事に行く人の背中を押してあげたい」という思いを込め書いた。「Happy Order?」は、島田が「まるでおもちゃ箱をひっくり返したようなサウンドを、生演奏で表現したらどうなるか」というコンセプトでアレンジ。厚いストリングス、ホーン、コーラス、そしてパーカッションで太いグルーヴを作りあげると共に、imaseの音楽の特長のひとつ、スタッカートを効かせたメロディをより引き立たせる。imaseは「生ならではの音圧はやっぱりいいし、曲が生き生きしていて、歌っていて楽しかった」とアレンジを絶賛。島田も「ファルセットが最高。今、主メロをファルセットで歌っているアーティストはほとんどいない」と、こちらもそのボーカルを絶賛していた。

「いい意味でも悪い意味でもミーハーな部分がある。それが楽曲に出ている」(imase)

imaseはタイアップソングのオーダーが多いことについて「最初にテーマがあった方がやりすいし、これまで自分では考えなかったようなテーマと向き合うことで、ボキャブラリーが増えるので自分のレベルアップにつながる」と、ポジティブに捉え、楽しみながら制作している。音楽体験ゼロから音楽作りを始めたimaseは「ネットで情報を拾って曲を作り始めて、いい意味でも悪い意味でもミーハーな部分がある。それが楽曲に出ている」と語っている。ミーハーであることは、つまりユーザー目線がクリエイティブの根底にあり、時代の空気を無意識のうちに敏感に嗅ぎ取り、その時作りたい音楽が、ユーザーが求めている音楽と通底していることがimaseの強さといえるのかもしれない。

「新たなポップスター」(冨田)

3曲目は「どんなジャンルの音楽もポップスとして昇華させることができるアーティスト。いつか自分もそうなりたい」と、リスペクトする星野源の「不思議」を冨田恵一のアレンジでカバー。原曲には入っていないストリングスを加え、上品さとクールさを湛えた“冨田節”と、星野源のメロディ、imaseの感度の高いポップスセンスを感じるボーカルが交差し、極上のポップスができあがった。セッションしながら冨田は「imaseさんと星野源さんのポップフィーリングはそんなに離れていない」と感じたといい、さらに「シンガー・ソングライターというと、楽器を弾き語るというイメージがあるかもしれないけど、imaseさんは新たなポップスターだと思う」と、その才能に驚いていた。

全てのセッションを終えたimaseは「こんな素敵な編成のバンドとやることは、もしかしたらこの先もうないかもしれないので、今日は思い切り楽しみました。『Happy Order?』や『NIGHT DANCER』は新鮮で、打ち込みやシーケンスだけでは感じることのできない、生演奏ならではのパワーを感じました。オリジナル曲も、カバーもアレンジで見せ方がこんなに変わるんだということは、本当に勉強になりました。何より全員で息を合わせるライヴ感、最高でした」と興奮気味に語っていた。

1stアルバム『凡才』発売

5月15日に発売された1stアルバム『凡才』は、ポップスターimaseの今と未来を感じさせてくれる19曲入りの大作だ。このアルバムを引っ提げ6月にはアジアツアーを開催、11月には初のホールツアーも決定しており、imaseの物語はまだ始まったばかりで、これから新たなストーリーが加えられていく。

imaseのパフォーマンスが楽しめる『Sound Inn S』は5月18 日(土)、BS-TBS(18時30分~)で放送される。またTVerで見逃し配信される(配信期間 2024/5/19(日)12:00~6/15(土) 18:29)。

『Sound Inn S』オフィシャルサイト

音楽&エンタメアナリスト

オリコン入社後、音楽業界誌編集、雑誌『ORICON STYLE』(オリスタ)、WEBサイト『ORICON STYLE』編集長を歴任し、音楽&エンタテインメントシーンの最前線に立つこと20余年。音楽業界、エンタメ業界の豊富な人脈を駆使して情報収集し、アーティスト、タレントの魅力や、シーンのヒット分析記事も多数執筆。現在は音楽&エンタメエディター/ライターとして多方面で執筆中。

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