年末までにスッキリさせる!片付けのプロが教える、たった3つの捨てる基準
片付け・収納の専門家、鈴木久美子です。私は、今までに550回以上、片付けや収納に悩み方のご自宅を訪問し、サポートをしています。
サポートに伺っていると、物が捨てられない、捨てるのが苦手という言葉を毎日のように耳にします。中には、捨てる基準が分からない、とおっしゃる方も多いです。捨てる基準は人それぞれなのですが、様々だからこそ決められないという人が多いのかもしれません。
今回は、誰にでも共通する、暮らしを整えるための3つの捨てる基準について、シンプルにお伝えします。
使っていない物
まず、最初の捨てる基準は、単純に使っていない物です。
間違えてはいけないのは、使えるかどうかではなく、使っているかどうかです。
例えば、粗品のボールペンが20本位あったとします。これを使えるかどうかを捨てる基準にしてしまうと、紙を用意して、いちいちペンのインクが出るかどうかを試す人がいます。
そんなことしていると、たぶん10年たってもボールペン1本も減りません。
衣類のように、いつまでたっても着ること自体はできるという物もありますが、着れるかどうかでなく、着ているかどうかです。
まだ何かに使える、という基準で物を残していては、ゴミ屋敷に近づいてしまいますよ。
ちなみに、あとで説明していますが、使っていなくても好きで、大切に思う物はもちろん捨てなくてOKです。
好きではない物
よく、物を捨てるのが苦手だという人が、『○○さんからもらったんだけど、趣味じゃないのよね。でも人から頂いたから捨てるのは失礼かな。』『使わないのに邪魔だわ。』とおっしゃいます。
趣味ではない、とか、邪魔だとか思っている時点ですでに失礼なので、もう手放す事にした方がよっぽどましかと思います。
人からもらった物でなくても、自分で買った物も、すでに今は好きではない、という物もたくさんあります。好きではないと思っている物を、もったいない、という気持ちで、自宅内にしばりつけるのは間違っています。
よく、捨てるのが苦手な皆さんにお伝えしますが、もし、その物が人だったと仮定すると、『昔、好きだったけど、今は好きじゃないのよね』、といいながら、別れることもせず、付き合い続けているのはおかしいですよね。
きっと別れを選ぶことで、お互いにとって次の未来が見えてくるはずなんです。
実際、人は、そんなに簡単に切れないという気持ちもわかりますが、今、皆さんが向き合っているのは、ただの物ですので、深く考えず別れを選んでいいと思いますよ。
好きな物に囲まれた暮らしは、シンプルに幸せなんです。
高級バッグや服だけでなく、何気ない文具や、キッチン雑貨、消耗品なども、シンプルに好き、と感じる物に囲まれていると良いですね。
大切にしていない物
最後の基準は大切にしているかどうかです。
使ってはいるけど大切にしていない物はないですか?
よく使うバッグでも、グチャグチャにしていたり、型崩れしていても平気だったり、していませんか?
気に入っていない服、大切でない服を部屋着に格下げ、といって部屋着ばかり増えている人も多いです。誰にも見せない部屋着でも、安くても、古くても、大切に思える物を持ちたいし、身に着けたくないですか?
子どもの工作などで、思い出は全て捨ててはいけない、と思い込み、グチャグチャに整理もせずに、どこかに埋もれているような物はありませんか?それは、本当に大切な物なのでしょうか?
『大切に思う気持ち、大切に扱えるスペース、大切に使うということ。』
人が大切にできる物の量には限界があるんです。(過去記事:『物を大切にする』ことの勘違いとは)
物と人間は、切っても切り離せない関係にあるので、大切でない物に囲まれていると、自然に自分自身も大切にできなくなってしまいます。
今回は、『捨てる基準』をご紹介しましたが、捨てるとは、ゴミに出す以外にも、リサイクルに出す、寄付をする、フリマアプリなどで売る、など、次の利用者を見つけるのも良い方法です。
ですが、捨てるのはもったいない、という呪縛にとらわれすぎると、全く先に進めないことも多いです。
物や環境にとっては、リサイクルなどが必要ですが、今、皆さんの暮らしの環境自体が整っていないのでしたら、まずは自分の環境から整えていく方が先決だど思います。
筆者:鈴木久美子(片付け・収納の専門家)
整理収納アドバイザー1級、クリンネスト1級の資格を持ち、片付けや収納に悩む個人宅にご訪問し、片付けや収納の悩みを解決し、オンラインレッスンでも全国から依頼を受ける。TV、メディア出演多数。Instagram、公式YouTubeチャンネルでは毎日の暮らしにちょっと役立つ情報を発信中。