片付けが苦手な人は要注意!『物を大切にする』ことの勘違いとは
片付け・収納専門家の鈴木久美子です。私は、今まで550回以上、6年間個人宅の片付・収納サポートを行っています。
たくさんのご自宅を拝見する中で、物が多すぎて、家が散らかってどうしても片づかない、という人の共通点が見あります。
それは、物を捨てるのが苦手ということです。
『物が捨てれない』、と思う人は本当に多いですが、考え方を少し変えるだけで、暮らしはみるみる変わってきます!
『物を大切にする』ことの勘違い
声を大きくして言いたいのは、『物を大切にする』という事の勘違いです。
ご訪問している家では、いつの物?という未使用品が山のように出てきたり、絶対に使いきる事は不可能なくらいのボールペン、空き缶、空き箱様々な物が出てきます。
数年前のお引越しから全く開けていない段ボールが1部屋つぶしている、ということもよくあります。
私たち整理収納アドバイザーも魔法使いではないので、あまりに物が多すぎる場合は、要・不要を分類し、不要な物を手放すお手伝いをしていきますが、『物を大切にしないといけない』という気持ちが染みついてしまい、まるで強迫概念のようになってしまっている人も多いです。
確かに、物は大切にしないといけないです。ですが、物を大切にするという事は、家の中にため込んで捨てないことなんでしょうか?
物の運命は使われるためにあるんです。
使わないから、いつまでたっても未使用のままだったり、使ってないからもったいないと感じ、手放すことができなくなるんです。
捨てれないなら増やさない!
本当に、物が大切と感じるなら、必要以上に物を増やさない、という基本的なルールを守りましょう。
確かに、まだ使える物を捨ててしまうのは、心苦しいです。でも本当に、物を大切にしているなら、いくつも使いきれない量の物を手にするのが間違っているのです。
物を捨てない人に限って、簡単に物を増やしてしまっています。まだ、使える掃除機があるのに、最新型が欲しくなって買ってみるが、前の掃除機もまだ使えるから捨てれない。(画像上)
物が少ない人は、物を手にする際に、自分にとって必要かどうか、スペースに合うかどうか、自分がしっかり使う事ができるかどうか、
さらに言うと、その物の最後(捨てる、手放す、譲る)の時をきちんと意識して、自宅にお迎えしているんです。
大げさかもしれませんが、物を大切にするという事は、買うときだけでなく、使う、しまう、最後の瞬間まで責任を持つということだと思っています。
物が多いことのデメリット
『散らかっていたって別にいい。』
『物が多くても別にいい。』
ただ、その物の量の多さで、日々探し物が多すぎたり、散らかっているせいで、イライラしたり、掃除ができなくなり、不衛生になったりすることも多いです。
その様々なデメリットを回避するためには、家の中には適正な量の物にする必要があります。
家という箱のサイズが決まっているので、不可能な量があるんです。
パソコンが容量オーバーになるとフリーズするように、人だってキャパオーバーな物の量があります。物が多すぎてキャパオーバーになってしまった人は、ゴミすら捨てることができなくなることもあるんです。
何とか詰め込んでいても、物の数が多すぎると、ピースの多い超難解なパズルをやっているような家になり、常に物の出し入れや片付けに時間がかかってしまうんです。
本当に大切にしないといけないのは何ですか?
最後に、物を大切にしないといけないという呪縛にとらわれている人に言いたいのは、
その物を大切にするあまり、自分の時間が犠牲になったり、家族がくつろいだり、快適な暮らしでなくても大丈夫ですか?
粗品のボールペンや、使いもしない古びた物たちに指定席があっても、あなたや家族に快適なスペースはありますか?
本当に大切にしないといけないのは、使わない物を守り抜くことではなく、家というスペースの中で家族や友人とどのような時間を過ごすか、どのようなことをしたいか、という事です。
『物を大切にする』と、いう意味を一度考えてみてくださいね。
筆者:鈴木久美子(片付け・収納の専門家)
整理収納アドバイザー1級、クリンネスト1級の資格を持ち、片付けや収納に悩む個人宅にご訪問し、片付けや収納の悩みを解決し、オンラインレッスンでも全国から依頼を受ける。TV、メディア出演多数。Instagram、公式YouTubeチャンネルでは毎日の暮らしにちょっと役立つ情報を発信中。