Yahoo!ニュース

減塩食で防げる病気と減塩食のポイント

めぐねこ介護頑張る栄養士/ライター

スーパーやコンビニでも「減塩」と書かれた食品や調味料をよく見かけるようになりましたよね。それだけ「減塩」が注目されている証拠だと思います。ですが「減塩の意味ってなんだろう?」と改めて考えてみたことってありますか?「病気の予防」というのが一番最初に頭に浮かぶかと思いますが、もう少し色々と考えてみませんか?減塩食のメリット、減塩でも美味しく食べられるコツをご紹介します。

減塩食のメリットはずばり「高血圧の予防」です。塩と血圧は密接な関係があります。

1.食塩をとりすぎると、血液中のナトリウムの濃度が高くなります。

2.ナトリウム濃度が高くなると、のどが渇き、水分をとります。

3.水分をとると血管に流れる血液量が増え、血圧が高くなります。=食塩をとりすぎると体内のナトリウムと水分の量を調整するために血液量が増え、高血圧になります。

高血圧状態が続くと血管は次第に厚く、硬くなってしまいます。これが高血圧による動脈硬化です。動脈硬化は脳梗塞、心筋梗塞などの原因になります。また、高血圧状態を続けることは、心臓に無理な負担をかけることになり心不全になることもあります。

また、塩分を過剰にとると体内に水分をため込むことがあります。これが原因で「むくみ」が起こります。減塩を意識することでこれらの症状が治まっていくこともあります。なので、日ごろから「減塩」意識した食事が「病気を防ぐ」上ではとても重要です。

特に介護食は、食べる人の年齢が上がるにつれて「塩味」を感じにくくな、濃い味を好むようになります。結果塩分のとりすぎに繋がってしまいます。これは味を感じる機能の低下や病気、薬の副作用など様々な要因で起こります。なので「また醤油をかけてる!」と食事の最中に指摘するのは逆効果です。「味がしないんだから、醤油や塩を足して何が悪い!」と、しなくてもよい争いが始まってしまいます。そんな争いは、正直時間と労力がもったいない!ので、介護食を作るときに先回りして「減塩食」を作って出してしまいましょう。

最初から減塩にしておけば、後から醤油や塩を足されてもとりすぎを防げますし、介護食を食べている本人が知らないうちに「減塩食に慣れてしまう」こともあります。私が実際に行っている簡単に、すぐにできる「減塩食のポイント」をご紹介します。

1.出汁を使う。昆布や鰹節でだしを取れば美味しいですが、そんな手間も時間もない!ので、私は市販のだしパックでだしを取っています。だしパックを水から煮だしてしまえば、簡単に美味しいだしが取れます。これをみそ汁やにものに使います。だしパックなら好みの濃さで出汁が取れるので便利です。

2.味噌は2種類を少しずつ使ってコクを出す。介護メンズは味噌汁が好きで毎食ないと嫌がるので、必ずつけていますが2種類の味噌を使っています。1つは使い慣れた味噌で大丈夫ですが、わが家はこれに「赤味噌」を少々入れています。赤味噌のコクで、いつもの味噌の量も減らしても十分美味しくなります。

3.煮物は砂糖を使う時に量を減らします。そうすると甘みに対する醤油や塩などの塩分が少なくても味のバランスが取れます。

4.肉や魚の下味に塩は使わない。塩で余計な水分や臭みをとることもできますが、コショウや酒でも十分臭みをとる事はできますのであえて塩を使いません。どうしても臭みが気になるときは生姜のすりおろしで十分です。

5.揚げ物のソースは直接かけず、取り皿に入れてつけながら食べる。ソースのかけすぎ防止につながり、塩分の量を減らせます。

6.辛子、わさび、生姜、コショウなどの香辛料の「ピリ辛」味で薄味をカバーする。特に辛子やわさびは醤油を使う量を減らすのに便利で、わが家は納豆やそばのつけ汁に辛子やわさびをよく使用しています。辛みがある事で醤油が少なくても満足できます。

特別に減塩のものを使わなくてもこれなら今、自宅にある調味料で対応できるので、おすすめです。これだけの意識ですが、高血圧だった介護メンズの血圧は今では標準値になり、今も続けています。たまに「醤油かけすぎ!」ということもありますが、あまり口をうるさく言っても長続きしないので、先にできる対策はしてしまうのが減塩食を長く続けるポイントです。

作る人もイライラしては、それこそ体調に悪いです。少しの事ですが長く続ければ目に見える結果につながります。できるところから始めてみませんか?

※「飲み込む力」には個人差があります。少しでも不安がある場合は、かかりつけの医師や歯科医、訪問看護さん、ケアマネージャーさんなど気軽にご相談してくださいね。

※すでに食事管理を受けている方は、管理栄養士さんや栄養士さんにご相談してくださいね。

介護頑張る栄養士/ライター

栄養士。家族の介護をきっかけにスーパーやコンビニで手軽に買える食品で介護食を作っています。むずかしいと思われる介護食を美味しく、簡単に、お金をかけずにをモットーに作っています。また自分の経験をもとにライター活動もしています。

めぐねこの最近の記事