皆さんは、音楽と言えばどんなものを思い出しますか？ジャズ、ロック、レゲエなどジャンルは様々ですが、そんな音楽を色々とミックスして歌っているミュージシャンがいます。

「THE SPIRAL OF TIME」の音楽は地中海音楽と名付けられるもので、音だけでなく言葉も様々な国の言語が組み込まれた素敵なもの。そんな彼らが、神戸や西宮、京都、大阪などでライブ(無料)をして巡る、関西ツアーを始めます。

その初日の28日は、神戸の北野坂にある「カフェ・ド・パリ」。始まる30分前にはもう座席が埋まっていて、観客の皆さんはお茶や食事を楽しみながら開始を待っていました。

始まる前に少しだけミュージシャンのお二人に話を聞くと、「3日前に来たのだけど、日本は初めて。神戸の人はみんな優しいですね。居心地も良くて、外国人に対してウェルカムという心で接してくれます」と、神戸を気に入ってくれている様子。

時間が来て、カフェの中で演奏が始まりました。ギターやハンドドラムなどを使いながら繰り広げられる歌に、静かに聞き入る会場。

どこか懐かしい郷愁漂うメロディーから、「ユー アー マイ サンシャイン」などの明るい歌まで。幅広いジャンルの歌が色んな国の言葉、例えばアマジグ語、クロアチア語、英語、スペイン語、フランス語などで歌われているようです。

ボブ・マーリーの「リデンプションソング」が聞こえてきました。この曲はとても有名ですが、その内容には「精神的支配から解放されて自由になろう」というメッセージが込められています。

彼らの活動の背景には、自国で生きるには少し自由ではない部分もあり、だからこその心の叫びがあります。日本はまだ自由な方ですよね、だけど海外には本当に色んな状況があるんです。

「世界を見ると、たくさんの問題がある。いつも歴史の中では多くの問題がありうまくいっていない。だから私たちは音楽で、人々が分断しないようにいいエネルギーを届けたい」

「ヨーロッパから日本へ。日本も世界の一部、そして私たちは世界のあらゆる場所と音楽で繋がりたいと思っています」世界各国の劇場やコンサートホールで公演を重ねてきた彼らは、音楽で生み出せる繋がりを体感として知っています。

よくこのカフェで演奏をしているミュージシャンのスティーブン・ミューラーさんもアコーディオンで参加、クロアチアの歌手ジャスミナ・ペトロビックさんも手に楽器を持ちながら歌います。

どうやらよく見ると、その楽器は見慣れたものに見えました。後で伺うと「あぁ、あれはアイスクリームカップです。いい音が鳴るでしょ？」とニッコリ微笑みました。やっぱりです、でも彼らが持つと伝統楽器に見えるから不思議。

「みんなそれぞれに文化も性格も言葉も違うし、考えもそれぞれだけど、願うことは皆同じ。それは、同じ人間として仲良くしていきたいということ」

「ひとつの考えやひとつのタイプだけではなく、私たちは一緒に生きることを学ばなければいけない」と、北アフリカのカビルのアーティスト、アマール・アマルニさんは語ります。

「日本の文化も知りたい。明日はローカル飯を食べに行くよ。明石焼きと、ソバ飯！」ふたりは、関西ツアーが終われば倉敷や尾道などの小さな観光地も訪ねたいと言っていました。

この日カフェで、私の席の周りだけでもフランス、アメリカ、北アフリカ、デンマーク、クロアチアといった国々の人が楽しそうに会話をしていました。

色んな言葉が飛び交い、笑顔が溢れる空間。こんなに素晴らしいことはないですね。まだまだ彼らのツアーは始まったばかり。是非、どこかのライブに顔を出してみてはいかがでしょうか。

地中海の風に優しく包み込まれる時間。彼らは、あなたが新しい友達としてやって来るのを楽しみに待っていますよ。

THE SPIRAL OF TIME｜JAPAN TOUR

※その他、カフェドパリでのライブ情報

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