多数の「Pixel 9」がメルカリなどに出品されていると話題に
グーグルの最新スマホ「Pixel 9」シリーズが、メルカリなどに多数出品されているとして話題になっています。
こうした現象の背景には、グーグルが大盤振る舞いで付与している「ストアクレジット」の存在を指摘する声があります。
最新Pixelが大量出品される背景
メルカリやYahoo!オークション、楽天ラクマなどの個人間取引サイトで「Pixel 9」シリーズを検索してみると、たしかに多数の出品があることが分かります。
特に、9月4日に発売されたばかりの折りたたみモデル「Pixel 9 Pro Fold」の出品が目立ちます。
発売直後のスマホを出品する理由として、使い勝手などに不満があり手放したいといった場合はありそうですが、多くの出品は新品未開封となっています。
また在庫が限られた端末を買って転売するといった行為もよくみられますが、大半は市場価格より安価に設定されており、単純な転売ではなさそうです。
商品説明によると、多くの製品は携帯キャリアではなく、直販サイトであるGoogleストアで購入されたもののようです。そこで浮かび上がってくるのが、Googleストアにおける「ストアクレジット」の存在です。
ストアクレジットはGoogleストアで使えるポイントのようなものです。グーグルは販売を強化したい製品に多額のストアクレジットを付与する事例が増えています。
たとえばPixel 9 Pro Foldの場合、本体価格25万7500円の約22%に相当する5万7700円分のストアクレジットを付与するキャンペーンを実施しています(9月9日まで。その他の機種は9月2日に終了)。
このストアクレジットは次回以降の買い物に使うことができます。本来は、スマートウォッチやワイヤレスイヤホンなどの関連製品を安く入手することで、Pixelをさらに楽しむといった使い方を想定しているようです。
ただ、ストアクレジットには発行日から1年といった有効期限が設定されています。この期限までに使い切れる見込みがなく、「現金化」したいというニーズはありそうです。
また、新製品の発売直後は買取相場が高いことから、ストアクレジットを考慮すると、端末を売却しても実質的に「黒字」になる場合が出てきそうです。
こうしてさまざまな思惑で購入された製品の一部が、メルカリなどの個人間取引サイトに出品されたり、買取業者に下取りに出されたりしていると考えられます。
個人間取引ではトラブルが起きることもあり、利用にあたっては各自で判断してほしいところですが、出品者向けには商品説明にIMEI(製造番号)を記載することが推奨されています。
購入者は、この番号を利用してネットワーク利用制限を確認できます。グーグル直販で購入した場合は「-」(製造番号が確認できない)となり、あまり参考にはならないものの、携帯キャリアの契約に紐付いていないことは確認できます。
ストアクレジットの用途拡大にも期待
ストアクレジットのもう1つの特徴として、「用途」が限られているという点があります。
ストアクレジットを使えるのはPixel本体やイヤホンなどを買える「Googleストア」のみです。アプリやコンテンツを取り扱う「Google Playストア」では使えません。
グーグルとは対照的に、アップルのアカウント残高はiPhoneやiPad本体の購入にも、アプリやコンテンツの課金にも使えるように統合されています。
もしPixelの購入で付与されたクレジットをアプリやサブスクに使えるようになれば、メルカリではなくグーグルのエコシステムが盛り上がると考えられるだけに、統合を期待したいところです。