Yahoo!ニュース

3度の名称変更なんて序の口!? もっと頻繁に名称が変わった球場もある

宇根夏樹ベースボール・ライター
プロ・プレーヤー・スタジアム Sep 25, 2003(写真:ロイター/アフロ)

 サンフランシスコ・ジャイアンツが本拠とする球場の名称が、「AT&Tパーク」から「オラクル・パーク」に変わった。この球場は、過去にも名称変更を繰り返している。2000~03年は「パシフィック・ベル・パーク」、2004~05年は「SBCパーク」だった。

 球場最多の160本塁打を打ったバリー・ボンズは、パックベル時代に104本、SBC時代とAT&T時代にそれぞれ28本を記録した。ライト後方のマッコビー湾に飛び込む「スプラッシュ・ヒット」もボンズが最も多く、34本を数える。この他にポストシーズンでも3本のホームランを放ち、その2本目も「スプラッシュ」した。

 もっとも、3度の名称変更は、最多記録ではない。フロリダ・マーリンズ(現マイアミ・マーリンズ)が1993年から2011年まで使用した球場は、名称がコロコロと変わった。1987年にマイアミ・ドルフィンズ(NFL)の本拠地としてオープンした時の、初代オーナーの名前を冠した「ジョー・ロビー・スタジアム」を皮切りに、「プロ・プレーヤー・パーク」、「プロ・プレーヤー・スタジアム」、「ドルフィンズ・スタジアム」、「ドルフィン・スタジアム」、「ランド・シャーク・スタジアム」、再び「ドルフィン・スタジアム」、「サン・ライフ・スタジアム」と変遷。さらに、マーリンズが新球場の「マーリンズ・パーク」へ去った後、「ニュー・マイアミ・スタジアム」を経て「ハード・ロック・スタジアム」となり、今日に至っている。

 マーリンズがポストシーズンに進出したのは、2度ともプロ・プレーヤー・スタジアム時代だ。1997年も2003年もアトランタ・ブレーブスに次ぐ地区2位ながら、マーリンズはワイルドカードをゲットし、そこからワールドチャンピオンまで登り詰めた。

 一方、セントルイス・カーディナルスの「ブッシュ・スタジアム」やニューヨーク・ヤンキースの「ヤンキー・スタジアム」のように、球場が変わっても、前の球場の名称を受け継ぐケースもある。なお、テキサス・レンジャーズが現在使用している球場は「グローバル・ライフ・パーク・イン・アーリントン」、来年のオープンが予定されている新球場は「グローバル・ライフ・フィールド」だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事