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元ドイツ代表のスターが浴びた大ブーイング

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(写真:ロイター/アフロ)

 10日(水曜日)に行われたスーペルコパ・デ・エスパーニャ準決勝で、レアル・マドリードがアトレティコ・マドリードを5-3で下した。

 激しい打ち合いとなったこのゲームは、6分にアトレティコが先制し、20分、29分にレアルが立て続けに決めて逆転。すると、アトレティコが37分に追いつき、78分にオウンゴールを誘って再逆転と、ファンを熱くさせる。

 その後、85分、116分、アディショナルタイムにレアルがゴールを奪い、決勝へと駒を進めた。

写真:ムツ・カワモリ/アフロ

 勝利した際、レアルのMFであるトニ・クロースが、スタディアムを埋めたサウジアラビアのサッカーファンから、敵意たっぷりの大ブーイングを浴びた。

 サウジアラビアのスポーツ省は6月、同国の公共投資基金(PIF)がサウジプロリーグのアル・アハリ、アル・イティハド、アル・ヒラル、アル・ナスルの4チームを管理するとアナウンス。海外の才能を呼び寄せることとなり、ファン流入にも繋がった。

写真:ロイター/アフロ

 クロースと共にレアルのユニフォームを着ていたカリム・ベンゼマがアル・イティハドに移籍し、ご存知、クリスティアーノ・ロナウドはアル・ナスルでプレー中だ。

 が、34歳の元ドイツ代表は、昨年8月にこんなコメントを残している。

 「彼らは野心的にプレーしていると言われているが、すべてはお金の問題だ。結局、金のためであり、サッカーに反する決断だ」

写真:ロイター/アフロ

 当地の観衆の神経を逆撫でするクロースだが、試合後、SNSで「今日は楽しかった! 素晴らしい観客だ」と更に挑発的な姿勢を貫いている。

 歯に衣着せぬ言葉を発するのは、己に確固たる自信があるからだ。彼は決勝で、どんな働きを見せるのか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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