ストラスバーグの113勝はドラフト全体1位の7位。7年2億4500万ドルの契約半ばで引退へ
2019年のオフ、ワシントン・ナショナルズからFAになったスティーブン・ストラスバーグは、ナショナルズと7年2億4500万ドル(2020~26年)の再契約を交わした。
ただ、その後は8試合に投げただけ。2020年が2登板、2021年が5登板、2022年が1登板、2023年は0登板だ。
どうやら、このまま復帰することなく、引退するらしい。ワシントン・ポストのジェシー・ドハティとベリー・スブルーガが書いた記事によると、来月9日に会見が予定されているという。
ストラスバーグは、2009年のドラフト全体1位だ。先月20日、35歳の誕生日を迎えた。ドラフトで全体1位指名を受け、メジャーデビューした投手は、ティム・ベルチャーとマット・ブッシュ(現テキサス・レンジャーズ)を含め、17人を数える。
ベルチャーは、1983年にミネソタ・ツインズから全体1位で指名された時は入団せず、翌年、セカンダリー・フェイズのドラフトでニューヨーク・ヤンキースに入団――こちらも指名順位は全体1位――した(翌月、FAの補償としてオークランド・アスレティックスへ移籍)。ブッシュは、プロ入りした後、遊撃手からリリーフ投手に転向した。
ブッシュの紆余曲折と今シーズンの動きについては、それぞれ、こちらで書いた。
◆「堕ちたトップピック・コンビ結成!? 出所したドラフト全体1位がレンジャーズに入団」
◆「19年前の「ドラフト全体1位」が昨夏のトレードで放出された球団にマイナーリーグ契約で戻る」
17人中、ストラスバーグの113勝は、7位に位置する。オールスター・ゲーム選出3度は、ゲリット・コール(現ヤンキース)の6度とデビッド・プライスの5度に次ぐ。プライスとコールは、防御率、勝利、奪三振のタイトルをいずれも獲得しているが、ストラスバーグは、3タイトル中2タイトル。2014年の242奪三振と2019年の18勝がそうだ。200イニング以上は、この2シーズンしかなく、規定投球回以上も4シーズンにとどまる。
ただ、万全の状態でマウンドに上がった時のストラスバーグは、素晴らしい投手だった。なかでも、2019年のポストシーズンは、6登板で36.1イニングを投げ、防御率1.98を記録した。ワールドシリーズでは、第2戦も第6戦も2失点に抑え、MVPに選ばれた。
ワールドシリーズMVPを受賞したドラフト全体1位は、野手を含めても、ストラスバーグしかいない。モントリオール・エクスポズ/ワシントン・ナショナルズのワールドシリーズ進出は、2019年の1度だけだ。
なお、ストラスバーグと同じく、アンソニー・レンドーン(現ロサンゼルス・エンジェルス)も、2019年のオフにナショナルズからFAになり、こちらはエンジェルスと7年2億4500万ドルの契約を交わした。年数も総額も、ストラスバーグとまったく同じだ。
2000年2020年以降にエンジェルスが行った512試合のうち、レンドーンが出場したのは200試合だ。60%以上の試合に欠場している。現在の年齢は33歳。来シーズンは、契約5年目となる。