処理水放出に反対する韓国野党の辛辣公式声明 「これは第二次太平洋戦争」「日本は30年間流し続ける」
8月24日、午後1時ごろから福島第1原子力発電所の敷地内にたまる処理水の海洋放出が始まった。
これについて韓国の反対派はどういった発言をしているのか。ここまで韓国内で強い反対運動を繰り広げてきた左派の第一野党「共に民主党」は強い言葉でこれを批判した。
放流直前の午前11時前、党公式サイトに「カン・ソンウスポークスマン声明」として辛辣な内容を掲載している。まずは尹錫悦大統領を強く批判、その後日本政府やメディアへの批判も行った。全文を掲載する。
尹錫悦大統領は卑怯に隠れず、日本の核汚染水の海洋投棄に対する立場を明らかにされては?
尹錫悦大統領、卑怯に隠れず、日本の核汚染水の海洋投棄に対する立場を明らかにしてください。
日本は今日から今後30年間、福島の核汚染水を海に流します。人類にとって戻ることのできない災厄が始まりました。
しかし、尹錫悦政府は核汚染水の放流を黙認しながらも「賛否を扱う問題ではない」という奇怪な弁解をして国民を怒らせています。
国民の批判を恐れて賛否の立場さえ明らかにしない姿は本当に情けないです。尹錫悦政府はちゃんとした政府ですか?
国民の命と安全がかかっている重大な問題です。私たちの子供たちの未来がかかっている問題でもあります。
大韓民国の大統領という人物は沈黙で一貫しており、卑怯としか言いようがありません。
尹錫悦大統領、今どこで何をしていますか? 尹錫悦大統領、卑怯に隠れず、日本の核汚染水の海洋投棄に対する立場を明らかにしてください
尹錫悦政府は、これまで日本の核汚染水の海洋投棄を阻止するゴールデンタイムを無駄にしてきました。
日本政府を説得する代わりに、韓国国民が諦めるのを待ち、日本政府の主張だけを代弁しました。日本政府がするべきことを私たちの政府が代わりにやったのです。
日本の政治家やメディアもまた、尹錫悦大統領こそが日本の価値観と最も一致する大統領だと賞賛するのですか? 恥ずべきことです。
国民の代わりに日本を選んだ尹錫悦政府は、もう大韓民国政府としての資格を失いました。
政府に裏切られた国民の怒りを抑えるべき時が来ている。明確に警告します。
2023年8月24日
共に民主党 広報局
日本自体を責めるより、日本に同調する保守与党を強く批判する。近年の韓国最大野党のロジックが踏襲されたかたちにもなった。
イ・ジェミョン党代表は「第二次太平洋戦争」
いっぽう、共に民主党のイ・ジェミョン代表は23日に国会で開かれた最高委員会でより辛辣な言葉を吐いた。より日本に直接的に言及する内容だ。こちらは内容を抜粋してお伝えする。
日本の汚染水テロを強く非難する。日本の核汚染水放流は、第二次太平洋戦争として記録されるだろう。
過去、帝国主義の侵略戦争で周辺国の生存権を脅かした日本が、核汚染水の放流で大韓民国と太平洋沿岸国に再び取り返しのつかない災厄をもたらそうとしている。
まさかと思っていた最悪の事態が訪れた。絶望するビジネスマンたち、漁民が怒りを爆発させているが、尹錫悦政府は『日本の放流は問題ない』という立場を発表しつつも、『それでも放流を賛成または支持するものではない』と付け加えた。
国民を相手に言葉遊びをしているのではないか。疑問だ。弁解も、国民を欺くことも度を超えてはいけない。国民を心配する心が一滴でも残っているなら、堂々と反対する立場を明らかにすべきだ。
民主党は国民と共に全力で戦う。可能なすべての手段を動員して、国家の責任を放棄した尹錫悦政府に責任を問う。
韓国の大手世論調査機関「韓国ギャラップ」が8月4日に発表した2023年7月第4週の「政党支持率」の結果は、右派与党「国民の力」が32%、左派野党「共に民主党」が31%、無党派層が32%と3つに割れている。