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もう一人の「ソト」もトレード市場で人気!? こちらも2年連続オールスター選出

宇根夏樹ベースボール・ライター
グレゴリー・ソト(デトロイト・タイガース)Jul 12, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 この夏にトレードで移籍する「ソト」は、ワシントン・ナショナルズの外野手、ホアン・ソトだけではないかもしれない。デトロイト・タイガースのクローザー、グレゴリー・ソトも、トレードの可能性はありそうだ。

 タイガースのソトは、メジャーリーグ4年目の27歳。ナショナルズのソトと同じく、こちらもドミニカンだ。2人のソトは、2年続けてオールスター・ゲームに選ばれていることも共通する。

 すでにペナントレースから脱落しているタイガースは、トレード市場で売り手に回るだろう。ただ、ソトがFAになるのは、2025年のオフだ(ナショナルズのソトは2024年のオフにFA)。昨オフに大枚を投じ、エデュアルド・ロドリゲスハビア・バイエズを迎え入れた――それぞれ、5年7700万ドルと6年1億4000万ドルの契約を交わした――ことからもわかるように、タイガースは再建モードから勝負モードへ移ろうとしている。あと3シーズン保有できるクローザーを、ここで放出する理由はないように見える。

 もっとも、ソトのシーズン防御率は、5.77→4.30→3.39→2.43と年々下がっているものの、与四球率は依然として高い。過去3シーズンは5.00を超え、今シーズンも4.05だ。最速は100マイルに達するが、制球はあまりよくなく、奪三振率もそう高くない。防御率の低い今が売り時、という見方もできる。

 ソトがいなくなっても、クローザーの候補はいる。3年前の夏に、ニック・カステヤノス(現フィラデルフィア・フィリーズ)と交換にシカゴ・カブスから得た2人のうち、アレックス・ラングは、セットアッパーとして防御率2.84を記録している。こちらの与四球率も4.26と高いが、まだメジャーリーグ2年目。FAになるのは、2027年のオフだ。また、ローテーションと比べると、ブルペンは整備しやすい。タイガースがソトを安売りすることはないだろうが、交換条件さえよければ、手放しても不思議ではない。

 なお、ナショナルズのソトについては、こちらで書いた。

「15年4億4000万ドルを拒否したソトは、ベッツらのように「トレード&延長契約」の道を歩むのか」

「ホアン・ソトに「抱き合わせトレード」案が浮上。大谷翔平とあの選手のセットもあり!?」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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