アップル「WWDC」は7日午前2時から。今年の注目ポイントは?
アップルが開発者向けイベント「WWDC22」の詳細を発表しました。オンラインで実施される基調講演は日本時間で6月7日午前2時からとなっています。今年の注目ポイントを解説します。
アップルはiOSやmacOSの発表を予告
WWDCはiPhone用のアプリ開発者などを主な対象としていますが、「基調講演」は一般ユーザーでも楽しめる内容です。それとは別に、より技術にフォーカスした「Platforms State of the Union」も開催される予定です。
WWDCの基調講演で毎年恒例となっているのがOSの新バージョンの発表です。今年も「iOS、iPadOS、macOS、watchOS、tvOSにおける最新のイノベーションを披露」するとアップルは予告しており、「iOS 16」などが期待されます。
ここで発表したOSは、次のiPhoneやMacなどのハードウェアに搭載されて発売されます。開発者向けにはベータ版や開発ツールを先行して提供することで、アプリや周辺機器の対応をお願いすることになります。
WWDCでハードウェアの新製品が発表されることはそれほど多くはなく、2021年もソフトウェアのアップデートのみでした。さまざまな噂はあるものの、アップルの案内状では「新しいソフトウェアとテクノロジー」の発表を予告しています。
タイミング的に注目したいのは、アップルの自社開発プロセッサー「Appleシリコン」です。2020年6月のWWDCでは、Macのプロセッサーをインテル製からアップル製に移行するのに約2年かかると語っていました。今回のWWDCはその発表からちょうど2年になります。
これまでにアップルは「MacBook Air」や「MacBook Pro」、一部の「Mac mini」や「iMac」について、Appleシリコン「M1」搭載モデルを発売しており、新たな製品として「Mac Studio」も加わりました。
一方、27インチのiMacや「iMac Pro」は販売を終えたまま後継機がなく、Mac miniではインテル搭載機の販売が続いています。「Mac Pro」については、3月のイベントで今後発表することを予告しています。
M1プロセッサー自体も、「M1 Pro」や「M1 Max」、「M1 Ultra」とバリエーションが増え、コア数やメモリー容量などが強化されてきました。しかし個々のコアの基本性能は、M1と変わっていないようです。
M1が登場した際には、高性能と省電力を高いレベルで両立していることが業界を驚かせました。その次に「M2」に相当するプロセッサーが用意されているのであれば、ここがどのように進化を遂げるのか、注目が集まりそうです。
一部オフラインのイベントも。新製品が出れば争奪戦必至か
WWDCは2022年もオンライン開催となっているものの、開発者や学生向けにはアップル本社でのスペシャルイベントが用意されています。
ただ、基調講演については「現地で動画を見る」と説明されていることから、昨年同様に事前に編集されたものになりそうです。こうした動画では多くの情報が手際よく発表される一方、ライブ特有の緊張感や会場との一体感がないのがやや物足りないところです。
米国で5月11日に開催されたグーグルの開発者向けイベントでは、会場に参加者を入れた形で実施されており、ステージに上がった登壇者の表情からも嬉しそうな感じが伝わってきました。今後は段階的なオフラインイベントの再開にも期待しています。
昨今の世界情勢について、3月のイベントで具体的な言及はなかったものの、CEOのティム・クック氏は「青い服」に「黄色のApple Watchバンド」を組み合わせたことで話題になりました。各国による規制への対応、環境保護への取り組みといった点も引き続き注目ポイントです。
もし新製品が出た場合に気になるのは在庫の問題です。中国の工場や物流の混乱により、多くのアップル製品が在庫不足に陥っています。当面は「買いたくても買えない」状況が続くと予想されることから、争奪戦は必至でしょう。