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将棋界の常識を超え勝ち続ける藤井聡太三冠(19)直近一年間の先手番成績は30勝1敗(勝率0.968)

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 デビュー以来、将棋界の常識をくつがえす勢いで勝ち進む藤井聡太三冠。2021年度も勝率8割を超えています。

 2021年度の成績は11月5日の対局を終えた時点で38勝7敗(勝率0.844)です。

 タイトルホルダーでこの成績、この勝率は異例中の異例。とはいえ二冠を保持した2020年度も44勝8敗(勝率0.846)でした。

 昨年2020年10月26日。藤井二冠(当時)は先手番で永瀬王座に敗れました。

 それから1年以上経った2021年11月5日の現在まで。藤井三冠は先手番でほとんど負けることなく、なんと30勝1敗(勝率0.968)という成績を収めています。(冒頭の表を再掲)

 直近1年の間、藤井三冠が先手番で負けたのは、2021年6月29日・30日におこなわれた王位戦七番勝負第1局、豊島将之挑戦者との一戦だけです。

 当時の記事を振り返ってみると「8か月ぶり先手番敗戦」とあります。つまりまたそこから4か月以上負けていないわけです。

 統計上、将棋はわずかに先手番が有利です。しかし藤井三冠の先手番での勝利キープ率は、将棋界の常識を超えた数字と言えそうです。

 藤井三冠が次に先手番で敗れるのは、いつでしょうか。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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