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実は次世代スバルの主役!? スバル新型XVが登場。

河口まなぶ自動車ジャーナリスト

富士重工業株式会社から、株式会社SUBARUとなって初めて発表されたのが、新型スバルXV。このモデルは、同社のコンパクトモデルであるインプレッサから派生した経緯を持つSUVであり、今回で2世代目となるモデルである。

昨年登場したインプレッサは、スバルの次世代モデルの先駆けとして、スバルグローバルプラットホーム(SGP)を開発し採用した。このSGPは、世界トップレベルの安全性能を謳っており、実際に運転支援システムであるアイサイトVer.3や、国産車初の歩行者保護エアバッグを標準装備。またSGPは感動質感を謳っており、見た目や走りを含めた高い質感を実現して高い商品性を手に入れた。

今回の新型XVは、そうしたSGPを用いた次世代モデルの第2弾として登場した。そして発表会では、このXVをして「次世代スバル主力SUV」を堂々と謳ったのだった。

このようにして登場の経緯を見てくると、まず基本のインプレッサ、派生SUVのXVという位置づけになるが、実はこうした関係性が強いのは、日本市場だけの話となる。やはり日本では基本のインプレッサを求めるユーザーも相当数おり、XVのようなトレンドモデルに対しては慎重なユーザーも多いようだ。

しかし、これが欧米市場になると二台の立場は逆転する。欧米では、クロストレックという名前が与えられると同時に、欧州ではこのモデルのみの展開で基本のインプレッサが存在しないため、このXV=スバルのコンパクトモデルの主力となっているのである。

またこうした市場特性を含めて全世界でみた場合、スバルのコンパクトモデルの主役は、実はこのXVなのである。事実、新型XVが初めて世の中に披露されたのは3月のジュネーブショー。XVの販売にとって重要な市場でお披露目されたというわけだ。

さらにいえば、昨年日本で新型インプレッサが登場した後も、グローバルでの販売を見た時には、先代XVは販売が落ち込まず(日本市場はさすがに落ちたが)、トータルで見てもコンパクトモデルの販売において、かなりの割合を占めていたのだという。

そして本日、日本での新型XV発表がなされたわけだが、今回のトピックとしてはこれまでに用意されていなかった1.6Lエンジン搭載モデルを用意した。そしてこれによって、充実した安全装備を標準化しながら税抜きで200万円を切るモデルを実現したのだ。

そして、この事実からすると、新型インプレッサを上回る販売台数を稼ぎだし、スバルのコンパクトモデルとしての主力の座を、国内においても獲得していくのではないかと思われる。

また併せて、日本市場においてもいまやSUVの締める割合はかなり増してきており、特にこの2-3年で国産車/輸入車を問わずSUV流行りの昨今である。

その商品性と世の中のニーズが相まって、新型XVはこのクラスをさらに活性化させることになると思われる。

そうしてこれまでは派生したSUVだったが、今後は日本市場でも主役となる可能性が大きいモデルなのである。

【発表会場からの生中継のアーカイブはこちら↓】

自動車ジャーナリスト

1970年5月9日茨城県生まれAB型。日大芸術学部文芸学科卒業後、自動車雑誌アルバイトを経てフリーの自動車ジャーナリストに。日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。YouTubeで独自の動画チャンネル「LOVECARS!TV!」(登録者数50万人)を持つ。

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