防衛に成功したWBCミドル級王者、ジャモール・チャーロ陣営の言葉
WBCミドル級王者、ジャモール・チャーロが、ウクライナのセルゲイ・デレフヤンチェンコを判定で下して防衛に成功した。チャーロ兄の戦績は、これで31戦全勝22KOとなった。
2007年の世界選手権で銅メダルを獲得し、北京五輪にも出場したデレフヤンチェンコのアマチュア時代の戦績は390勝20敗。プロでは13勝(10KO)3敗。世界タイトルは3連敗となった。
118-110、117-111、116-112と3-0の判定でジャモール・チャーロは勝利を掴んだ。
試合後、ジャモールは述べた。
「チームで話し合ったゲームプラン通りに試合を運べた。(トレーナーの)ロニー・シールズは、俺に課したテストをパスしたと言ってくれた。コーナーから聞こえるロニーの指示を遂行したよ。次に進めることに、心から幸福を感じる。
デレフヤンチェンコがタフな選手でパンチもあることは分かっていたが、予想以上に仕上げて来たね。我々は下がらず、真正面から打ち合った。『冷静にリングを支配しよう。基本に忠実にジャブを多用しよう』と考えたよ。それが勝因かな。KOしたかったが、毎回毎回KO出来るわけじゃない。セコンドのアドバイスもあり、挑戦者を圧倒するパフォーマンスに切り替えた」
「新型コロナウィルスは社会にネガティブな雰囲気を作っているが、俺自身は全てをポジティブに捉えることが大事だと学んだ。今回の勝利はビッグマッチに繋がるだろう。俺がミドル級のベストファイターさ」
トレーナーであるロニー・シールズも満足げに話した。
「今夜のジャモールの戦いぶりはAです。誰もが、この世界戦はタフなものになると言っていましたが、楽なファイトなんて一つもありません。 ジャモールのジャブは、今日のボクシング界で最高と呼べるでしょう。強く、正確なジャブが挑戦者を追い込んでいきました。今日のパフォーマンスを誇りに思います。ジャモールは進化していますよ」
記者会見場を立ち去る前、WBCミドル級王者は「次は弟の試合だ。今、俺の心はそっちでいっぱいだよ」と発言し、兄である顔を覗かせた。
このチャンピオンは一見派手だが、大言壮語はせず、地道な作業が得意である。ミドル級最強の座に向けて進むのであれば、村田諒太戦もあり得る。160パウンドの行方に興味津々だ。