ソフトバンクG決算発表、国内税金支払い法人第3位だった!
KNNポール神田です。
2023年8月8日火曜日、『ソフトバンクG【9984】』の2024年3月期第1四半期の決算発表があった。
決算発表 アーカイブ動画
https://www.youtube.com/watch?v=8r_ecuGIcUA
発表資料はこちら
■ハイライトは、税金支払ランキングが3位のソフトバンクG
今回、後藤CFOが、力説していたのが、『ソフトバンクグループは税金を払っていない』とさんざん言われるが、そうではないことを証明するためにランキングを作って披露した。
トヨタ、NTTに負けはすれど、毎年コンスタントに5,000億円は法人所得税を収めている。5年間で2.6兆円の納税額となる。トヨタは4.5兆円だ。
■決算短信 売上1.5兆円 純利益▲4,776億円の理由
後藤CFOは、為替差損が、▲4,646億円 を強調されていた。
実質の純利益は、▲130億円と言いたかったようでもあるが、為替差損も経営上は赤字要因だ。
■arm現在の株式価値は3.7兆円 四半期売上は916億円 上場するといくらになる?
armの現在株式価値は3.7兆円 である。
今四半期期売上は916億円($641M)である。
■フェルミ推定で、ARMの2023年を予測し、株式上場すると…
※4半期で4倍すると、2023年度は、年商3.6兆円
※時価総額 5年くらいで5倍でディーデリジェンスすると約18兆円
IPO 2023年9月頃 NASDAQ予定とすると…
現在の SBGの保有株式 16.9兆円
※最大+18兆円で、34.9兆円規模になるかも…。
ARMの株式保有率
ソフトバンクグループ 75% ※+13.5兆円
ソフトバンク・ビジョン・ファンド 25% ※+4.5兆円
英フィナンシャル・タイムズは少なくとも300億ドル(約4兆1,000億円)と報じていた。
そして、ご破算になったが、ソフトバンクGからARMのNVIDIAへの売却ディールは、4兆円であった。
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/4e67cd1ff630007e1bc986fede3ca6d1e237152c
当時のNVIDIAの時価総額は6,854億ドルで、93兆円。
現在NVIDIAは、1.1兆ドルで、157.3兆円となっている。
もしも、歴史が動いて、ソフトバンクGがNVIDIAの筆頭株主であったら…さらに景色は、変わっていたことだろう。
税金ランキングでは、きっとトヨタを抜いて、ソフトバンクGが、国内No.1確実だったことだろう。
■買収は断念したが、 NVIDIA と ARM の蜜月は続いている
■インターネットのメディア市場は、米国30兆円、日本で7兆円、一方、物流市場は?
今回、日米の『GDP市場の円グラフ』で強調していたのが、物流面でのAI投資だ。
インターネット市場のメディアの広告が米国30兆円、日本で7兆円。
しかし、GDPに占める物流の市場は米国で200兆円、日本で48兆円ととてつもなく大きい。
この分野のAI企業への投資を強めている点も強調していた。
既存の投資にさらに増資をしている。
■経営の舵取りは?
ソフトバンクGを支えてきたアリババも中国リスクと共に、現金化が進み現在は、0.1%を残すのみ。SVFの47%をメインに、ARM22%、ソフトバンクKK14%、Tモバイル、ドイツテレコム8%というポートフォリオに変遷してきている。
▲6,990億円の赤字の中にも、実は、アリババの利益が7,699億円があるという。
つまり、持株投資事業の▲6897億円ではなく802億円の黒字と本当は言いたいようだった。
中国リスクだけでなく、為替もふくめて、一国に偏らない世界的企業のポートフォリオになってきている。変わらないのは北米への投資が1/4というところだ。
■SVFの売却判断の指標は黒字売却!
見逃せないのが、かつてのユニコーンとよばれた上場、投資先の売却だ。
UBER SLACK OPEANDOOR などは全株売却し、同時に売上益を得ている。
時価総額が下がっている会社は、基本的に売却して損切りをしない経営判断だ。
AhongAn と Qualtrics のみ赤字売却している。
現金化をするのは、売却益が見込める投資会社のみ。あくまでも上場企業で株価が低いのはホールド、未公開企業は市場の景気回復まちというように感じられる。
それらがあっての『LTV(純負債÷保有株式:ローントゥーバリュー)』8%の運用と、『NAV(保有株式ー純負債)』15.5兆円
そして、手元にある現金は5.8兆円だ。
このまま、純利益▲4,776億円が3年間、続いても手元のキャッシュで対応できる猶予が生まれている。
■『マグニフィセント8』になれるのかARM
日本では、GAFAやGAFAMと呼ばれていたが、FaceBookがMETAとなり、呼称の齟齬が生まれててきた。それが、バンク・オブ・アメリカが言い出した『マグニフィセント7』、そう『荒野の7人』『7人の侍』が語源だ。
アルファベット、Amazon,Apple、META,Microsoft、の5社に、NVIDIAとTESLAの2社が加わった7社のことを言う。
果たして、ARMのNASDAQ上場によって、7社の仲間入りまでのびるかどうかだ。
S&P500をいかにマグニフィセント7が牽引しているのかがよくわかる…。
さあ、ソフトバンクGの2023年11月の第2四半期の決算発表時に、ARMの上場のボーナスが付与されて、黒字回復となるかどうかは神のみぞ知る。