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ひとり旅では何をすればいい?「ソロ温泉」の達人がいつもしていること

高橋一喜温泉ライター/編集者

非日常の時間を求めてひとり旅に出かける「ソロ温泉」。

その魅力のひとつが、気軽だという点だ。実行しようと思えば、散歩のごとく、いつでも誰でもできる。

だが、人によってはひとり旅は案外ハードルが高いようである。「ひとり旅は退屈ではないか?」「ひとりで何をすればいいかわからない」という声もよく聞く。

だが、それほど難しく考える必要はない。

同じ単独行でも、ソロキャンプやソロ登山などはハードルが高い。揃えなければいけないグッズがたくさんある。車も必要だし、初期費用もかかる。身の危険を感じることもあるだろう。

その点、ソロ温泉は身一つで実行できる。極端な話、手ぶらでも行ける。

たとえば、仕事終わりに、ふと「温泉に入りたいな」と思ったら、お目当ての温泉に向かう電車に乗り込み、宿泊可能な宿を検索し、予約すればいい。現地に着けば浴衣もタオルもある。替えの下着は途中のコンビニなどで買えば事足りる。ふらっと散歩に行く感覚でも問題ない。

ひと昔前なら、そんな思いつきの旅は「冒険」の色をおびていたかもしれないが、今はインターネットがあるから、当日に宿を探すのも簡単だ。翌日の予約であれば、もっと選択肢は広がる。

それでも心理的なハードルが高い「ひとり旅」

このようにソロ温泉は物理的にはハードルは低いはずだが、意外と心理的なハードルが高いようだ。

温泉に行きたいという願望はあっても、「ひとり旅はちょっと……」という漠然とした不安が行動にブレーキをかけてしまう。

筆者のある知り合いは、会うたびに温泉や旅がよく話題にあがった。

「僕もひとりで温泉行きたいんですよね」

知り合いからは、このセリフをよく聞いたが、かれこれ10年間、結局ソロ温泉を決行しなかった。話を合わせてくれていた可能性もあるが、話しぶりからは本当にひとり旅に憧れがあることは伝わってきた。たぶんソロ温泉をしてみたかったのだと思う。

それでも、10年ものあいだ実行に移せなかったのだから、筆者が思っている以上にソロ温泉は、心理的なハードルが高いようなのだ。

ソロ温泉は「何もしなくていい」

ひとり旅をしたことがない人からよく聞かれる声が、「ひとりで温泉に行っても何をしたらいいのかわからない」という漠然とした不安だ。

答えはシンプル。

何もしなくていい。温泉に入るだけでいいのだ。

「何かをしなくてはいけない」という先入観があるから、面倒くさく感じ、あきらめてしまう。

温泉旅なのだから、湯船につかって帰ってくればいいのだ。ゆっくり温泉に入って心身を休めることができれば、それでソロ温泉は成立しているのである。

また、ひとたび宿にチェックインしてしまえば、温泉に入ったり、温泉街を散策したり、食事をとったりしていれば、あっという間に時間は経っていく。心配するほど、暇をもて余すことはないし、退屈な時間を楽しむのもソロ温泉のあり方のひとつである。

興味はあるのにまだ一歩を踏み出せていない人は、ぜひソロ温泉の世界を体験してみてほしい。

温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3900超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)のほか、『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『スーパーJチャンネル』『ミヤネ屋』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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