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台風2号が発生へ、来週後半に日本の南に北上する可能性も

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
熱帯低気圧の雲の様子(ウェザーマップ)

台風2号が発生へ

熱帯低気圧の予報円(ウェザーマップ)
熱帯低気圧の予報円(ウェザーマップ)

最新の熱帯低気圧情報(気象庁発表)

タイトル画像にある通り、日本のはるか南東海上で、昨夜19日(金)午後9時、熱帯低気圧が発生しました。(関連記事

気象庁の予想によると、この熱帯低気圧は今後24時間以内に台風へ変わり、発達しながら北上する見込みで、グアム島付近を通過した後、5日後の来週25日(木)午前3時には、北緯20度線に近づく見込みです。

この時点での勢力は、中心気圧965hPa、最大風速40メートル、最大瞬間風速55メートルで、強い勢力に発達している予想です。また予報円の大きさはかなり大きく、直径約1400キロとなっており、西側を進むほど、日本付近に影響が出るようなコースとなる可能性があります。

海水温が高く、急発達の可能性も

海水温の状況(気象庁発表に筆者が加筆あり)
海水温の状況(気象庁発表に筆者が加筆あり)

海水温の状況をみると、熱帯低気圧がある周辺からフィリピンの東海上にかけては平年より高く、広範囲に30度前後となっており、この温かな海水から多量の水蒸気を補給して、急速に発達する可能性があります。なかには気象庁の予想以上に発達を示唆するようなモデルも存在します。

一方、北緯20度付近より北側の日本の南海上は、平年より低く、25度前後となっているため、発生が予想される台風の発達のピークは北緯20度付近までではないかと思われます。とはいえ、それまでにかなり発達していれば、強い勢力を保ちつつ、日本の南へ北上してくる可能性も考えられる状態です。

北上するコースは太平洋高気圧の盛衰次第か

太平洋高気圧と発生が予想される台風の予想(筆者作成)
太平洋高気圧と発生が予想される台風の予想(筆者作成)

発生が予想される台風の5日後、来週25日(木)朝の時点では、台風の西側と東側に太平洋高気圧が張り出している予想です。

台風の北上するコースはまさにこの太平洋高気圧の盛衰次第となり、特に東側に張り出している高気圧の勢力が強いほど、台風を西側に進める可能性があり、今後はこの高気圧の勢力が台風をどこに北上させるかのキーポイントとなるかもしれません。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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