【札幌市】口に広がる自然な甘さにホッ。体にやさしくておいしい米粉菓子店「cuddle」の焼き菓子
この数年、米粉という言葉がとても身近になりました。パンや菓子にも「米粉入り」と表示されたものが増え、サクッと揚がると揚げ物にもよく利用されるように。
とはいえ、小麦アレルギーやグルテンフリーを実践している方の中には、「米粉入りとあっても、小麦が入っているから…」と商品に手を伸ばせない人や、アレルギーではないけれど、米粉独特のざらつきが気になるという人も…。
米粉100%はなかなかハードルが高いのかしらと思っていたら、とってもおいしい米粉100%の焼き菓子を作っている米粉菓子店「cuddle」(カドル)さんに出合いました!
「米粉のkojikaクッキー」(4枚入り250円)をいただくと、サクッとした食感の中に、ほんのりやさしい甘さが口に広がります。米粉のざらつきもなく、思ったよりもしっとりしていて食べやすく、米粉100%ということをすっかり忘れてあっという間に全部を平らげてしまいました。
店主の内海里香さんは、もともと調理師として病院や施設で給食調理に携わっていたそう。休みのたびにいろいろなカフェを訪れ、それ用のインスタアカウントも持っているほど、大のカフェ好き。あるとき、米粉のお菓子を提供しているカフェで、米粉のお菓子教室に参加し、米粉の奥深さに魅了されます。「甘いモノが大好きで、別に小麦アレルギーというわけではないのですが、米粉を使ったものに切り替えたら、なんだか体の調子がよくて…」と話します。さらに、小麦を摂取しすぎると体調を崩しがちな友人が、甘いモノを食べるのを我慢している様子を見て、「罪悪感なく、我満もせず、甘いモノを食べられるようになったらいいだろうな」と思い、米粉の焼き菓子作りをはじめます。
はじめは間借りカフェで月に1度、米粉の焼き菓子を販売する程度でしたが、これが評判となります。内海さんは思い切って仕事を辞め、週に2回ほどのペースでイベントに出店。製造は、白石区にあるレンタルキッチン「タネキッチン」で行っており、タネキッチンでも委託販売をしています。徐々にリピーターも増え、インスタのイベント出店情報を見て、買いに来てくれる人も今ではたくさんいるそう。ちなみに11月26日(火)、27日(水)はチカホのイベントに出店予定。
内海さんが使用している米粉は、美唄のきしもとファームのゆめぴりかの米粉。土からこだわって米作りに取り組む同ファームの特別栽培米を米粉にしたものです。粉の粒子が細かいのでざらつき感がないそう。「道産米の消費が減っていると聞いているので、米粉を活用して米の消費にも役立てたらとも考えています」と内海さん。
そのほかの材料もきび砂糖、米油など、体にやさしいものを使用。パウンドケーキやマフィンは乳製品不使用で、大豆バターを用いています。一番人気は、「米粉のkojikaブラウニー」(380円)。濃厚なブラウニーの上には米粉クッキーがのっていて、一緒に食べると違ったおいしさや食感を楽しめます。また、最近人気なのがスコーン。プレーンのほか、季節のものを取り入れたものが並びます。
今はイベント出店やECサイトでの販売を中心に活動していますが、いつか自分の実店舗を持てたらという夢を持っている内海さん。店名の「cuddle」は英語で「抱きしめる」という意味。「人を抱きしめるように寄り添った、体にやさしいお菓子作りを続けていきたい」と最後に語ってくれました。