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【札幌市】11月はアートな世界に浸ってみませんか。本とデザイン、2つの気になる企画展を紹介

徳積ナマコプロフィールライター/物書き/企画編集(札幌市)
「森の出版社ミチクル 本とカゴと土偶」より

雪が降るやら降らないやら、そんな話もチラホラ聞こえる札幌。秋が深まってくると、夏のように屋外フェスでワイワイやりたいとも思えず、しっとりとアートなものに囲まれて過ごしたい気分になります。読書の秋、芸術の秋とはよく言いますが、今回は今月に行われる気になる企画展を2つ紹介します。

◆11月25日(月)まで開催中の「森の出版社ミチクル 本とカゴと土偶」

ひとつめは、7月にオープンした円山の本・ギャラリー・カフェ「ポンピイェハウス」で、1日(金)から行われている「森の出版社ミチクル 本とカゴと土偶」。

「森の出版社ミチクル」とは、東京の美術出版社で「美術手帖」の副編集長などを務め、東日本大震災を機に北海道へ移り住んだ編集者・來嶋路子さんの屋号。現在、來嶋さんは人口300人ほどの岩見沢・美流渡地区に暮らしながら、出版活動を行っています。移住者だからこそ見える北海道暮らしの驚きと発見が詰まった「山を買う」「家の庭」といったイラストエッセイなどを出版しています。

ポンピイェハウスで販売している森の出版社ミチクルの本
ポンピイェハウスで販売している森の出版社ミチクルの本

今回の企画では、「森の出版社ミチクル」でこれまで制作した本が並びます。さらに、山あいで暮らすうちに身近な森にある植物で編むようになったというカゴ、野焼きで作品作りを行っているという「縄文土偶」(!)も展示販売します。

野焼きで作っているという縄文土偶。味がありすぎる!
野焼きで作っているという縄文土偶。味がありすぎる!

また、14日(木)からは、「來嶋路子 編集の仕事」と題し、20歳からアートの本の編集に携わってきた來嶋さんのこれまでの仕事を一堂に紹介します。編集者として來嶋さんが手がけたアートブックは、「お、知っている!」というものが多数。どうやってこれらが生み出されたのか知りたい!という方は、17日(日)14時~行われるトークイベントにぜひご参加を。聞き手は札幌で活躍する編集者・ライターの佐藤優子さんです。先着20人(予約不要)。ワンドリンク付き1500円。

來嶋さんが編集者として手がけたアートブック
來嶋さんが編集者として手がけたアートブック

また、カゴ編みのワークショップも24日(日)13時~行われます。こちらは要予約で、定員は5人。2000円。予約はこちらへメールで。michikururu@gmail.com

ツルなど身近な植物で編んだカゴ
ツルなど身近な植物で編んだカゴ

個人的には、マガジンハウス社が運営するWEBサイト・ローカルネットワークマガジン「コロカル」の來嶋さんの連載が好きでときどき拝読していますが、「縄文土偶」もとても気になるところです。

ポンピイェハウス
札幌市中央区南6条西24丁目1−27
営業時間/11:00~18:00(金・土曜は~22:00)
定休日/火・水曜
公式インスタグラム

◆11月2日(土)~7日(木)デザイナーたちのTシャツ展&履歴書展「〇デ展」

もうひとつが、2日(土)から行われる一般社団法人北海道デザイン協議会が主催する「〇デ展」です。会場は、紀伊國屋書店札幌本店の2階ギャラリー。

一般社団法人北海道デザイン協議会とは、1982年に設立された団体。北海道におけるデザイン文化や産業の向上を目指し、啓蒙活動やデザイン教育などの事業を行っています。道内で活動する個人会員のデザイナー、法人会員・賛助会員によって運営されています。

今回は、道内で活躍する「デザイン」に携わる会員のうち、16名がデザインしたTシャツの展示と、25組の仕事が「履歴書」として展示されます。

Tシャツ展は、「〇と〇」をお題に、デザイナーそれぞれが考える1テーマを2枚のTシャツで表現。会場全体にワイヤーでTシャツが吊るされる立体的な展示も楽しみです。これを見れば、デザイナーの頭の中がどんな風になっているかが分かるかも?また、展示されているTシャツはすべて購入も可能。

デザイナーの個性が表れるTシャツデザイン
デザイナーの個性が表れるTシャツデザイン

履歴書展は、協議会の会員のうち、企業も含む25組の仕事を「履歴書」としてパネルで展示します。デザインがいかに私たちの暮らしと密接に関わっているものか分かるだけでなく、北海道のデザインの多様性を知るきっかけになるかもしれません。

展示される履歴書のひとつ。デザイナーならではの美しい見せ方はプレゼンの参考になります
展示される履歴書のひとつ。デザイナーならではの美しい見せ方はプレゼンの参考になります

そして、4日(月・祝)14時30分~は1階インナーガーデンで、第一線で活躍する美術家4人によるトークイベント「デザイン+アートの可能性」が行われます。入場無料。定員80人(申し込み不要)。登壇するのは、美術家・川上りえさん、美術家で北海道デザイナー学院校長の澁谷俊彦さん、イラストレーター・前田麦さん、造園美術家・小助川裕康さん。

〇デ展
会場/紀伊國屋書店札幌本店(札幌市中央区北5西5 sapporo55ビル)
開催時間/10時~18時(最終日17時)
問い合わせ/一般社団法人 北海道デザイン協議会 事業委員会
hda_jigyo@hda21.jp

プロフィールライター/物書き/企画編集(札幌市)

長年、広告、編集、ライター業に携わってきました。今は、これまでの経験を活かし、人の人生に耳を傾け、プロフィールをまとめる仕事が中心です。ライフスタイル、クラフト、食、アート、映画、ドラマ、アウトドア、農業、健康、スピ…と、興味があるとなんでも首を突っ込みます。この世は楽しい修行の場で、すべては人生のネタ。私って面白いと思って生きています。

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